pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

では時間を確保して

 いや、そんなに確保もしていませんが。読んで感銘を受けたのです。

 

杉山城の時代 (角川選書)

杉山城の時代 (角川選書)

 

  城の事は詳しくないので『杉山城』なるものが何なのか、さっぱり知らなかったのですが、どうやら築城技巧的に一つの完成形である『土の城』であるにも関わらず、文献資料では確認できず、築城され使用された時期も十五世紀後半か十六世紀半ばか、という論争があり決着を見ていない城だそうです。

 ただし公式には十五世紀後半に『確定』されていますが。

 著者は状況証拠からし後北条氏上杉謙信と北武蔵を争奪していた時期に使用していたと推定していますが、発掘調査では十五世紀後半につくられた瀬戸焼常滑焼が出土している為、山内、扇谷の両上杉氏が争っていた時期であると比定されています。

 ただ、戦乱期で流通が滞りがちであり、また在城していた雑兵たちも新品ではなく使いまわしの中古品を使用していたとしたら、出土品の年代は製作年以降という意味しかもたなくなります。とはいえ、縄張り技術的に完成されていると言っても縄張りから確定できるのは、その城が完成、廃城された状態でしかなく、つまりいつ頃まで使われたという事は解っても、いつから使われたのかは解らない。

 結局のところ決定打というものはないのですよ。だから著者の方も、自分の主張はこうで、他の説はこういう点に疑問点があるけれども、でも読んだあなたが納得できる、あるいはロマンを感じると判断すれば、その説を支持する事は自由だ、と言っています。

 そうなんですよ。判断は読み手に任されるべきでして、こうだ、ああだ、と言われるのは大きなお世話なんですわ。こういうのに好感が持てるのですよねー。読んでいて楽しかったです。半分も理解できたか、怪しいけれども(あ

 

はたらく細胞(3) (シリウスKC)

はたらく細胞(3) (シリウスKC)

 

  順調に巻数をこなしていますね。なんかね、その細胞たちの働きを表現する仕方が楽しくて、ついつい読み進めてしまうのですよ。今日は四巻を読むかな?