pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

図書館には午前中に行きたいです

 午後から月末締めの請求書を起こしたいから・・・でも、たぶん配達が入るから、そんなに起こせないだろうなぁ。そしたら月曜日に持ち越しか。だるいなぁ(あ

 さて、昨日読み終わった本はこれです。

 

源氏物語の結婚 - 平安朝の婚姻制度と恋愛譚 (中公新書)

源氏物語の結婚 - 平安朝の婚姻制度と恋愛譚 (中公新書)

 

  つまり、平安期の婚姻制度が実際どうであったのかを踏まえた上で源氏物語を読むと、紫の上のシンデレラストーリー(最後まで不安定)という側面があるよ、というお話。

 平安期の貴族は一夫多妻制という印象があったのですが、律令制では一夫一妻制であり、これは別に無実化されておらず、正式な婚姻で結ばれた男女が夫婦であって、『通い婚』は男が愛人の下へ通っている、つまり愛人関係に過ぎない、という事だそうです。事例を下に証明されると、確かに妻の立場は法的のみならず、経済的にも社会的にも保障されており、例え夫が早死にしたとしても、簡単に困窮する事はありません。んが通い婚の愛人となると、実家が富裕でなければ愛人の支援なしには立ち行きいかないし、子供への待遇も正妻の子たちは優遇されますが、妾の子たちは彼らとは明らかな差がつきます。出世速度も遅い。

 妻を離縁するには様々な条件、制約がありますが、妾は男の愛情が尽きてしまったら自然消滅しても何の保証もありません。

 そんな女性の立場からすると妾、愛人は立場が著しく弱いのですが、その目で見ると幼くして男親にも知られず光源氏に引き取られ、ひそかに『結婚』した紫の上は、本人同士の結びつきはともかく、社会的には愛人です。お互いが合い求めるのが恋愛物語であるならば、愛だけが頼りの愛人の立場でないと物語になりにくいのも確かですが、紫の上の立場の弱さは最後まで物語の中心にあり続けます。男親と婚家の契約が結婚であり、それがないと愛人の愛のみが頼りという、弱い立場に・・・

 物語の必要性から、そして故に紫の上は同情を集めるヒロインになりえたのですが、何か切ないですよね。

 なんか光源氏の女性遍歴ものって観点だけではない話なんだなぁって思いました。