pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

幾花にいろさんの短編集を探して

 何言ってんだ、って題名ですね。マイナーな漫画家さんの、マイナー出版社から出た短編集を探すのは大変、という事です。困った時の密林さんさえ、もう電子版しかなかった。そして、今も探している最中という・・・再版されないと入手できないかも知れない・・・うう・・・

 それはさておき、日曜日は『おだいコン』さんで、ひっさしぶりに『迷宮キングダム』を遊ばせていただきました。いやー、ダイス運で全てを振り回してくれるシステムなので、キャンペーンをやるとなるとお腹が痛く成ったりするのですが、コンベンションは一回限りだから、王国が滅亡しても笑い話で済むよね!!(そうか?

 

 

 そして読み終わったもの。

 

十字軍物語 第四巻: 十字軍の黄昏 (新潮文庫)

十字軍物語 第四巻: 十字軍の黄昏 (新潮文庫)

 

  だいたい塩野さんは一人はお気に入りの登場人物がいる、そんなエピソードを混ぜ込んできますが、十字軍の終焉に関して、イスラム側もキリスト教側も、大立者と言える存在がいない(世界史レベルで認知されている人物がいない)のですが、その最後の戦いで今まで別個でしか戦ってこなかった聖堂騎士団と病院騎士団の団長と副団長が肩を並べて戦い、そして戦死したエピソードがありました。まぁ最後に残されたアッコンという都市で少ない兵力でやりくりしながら耐え忍んだ戦いでしたから、そういう事もありますよね。

 その後の両騎士団の明暗が語られて十字軍の物語も終わりです。結論として十字軍運動の高まりとともに高揚したローマ法王至上観は、その沈静化と、また自らが世俗権力者たちのパワーバランスの上に存在した時だけ、『相対的に』絶対権威者となれた事実を忘れ、ヨーロッパにおいてただ一人の強力な権力者(フランス王)の出現を、自らの命令で許してしまった時(もう一方の権力者シュタウフェン王家は理性的なフリードリッヒ二世憎しの末、滅ぼしてしまい、神聖ローマ帝国空位時代に)、法王の権威というものが容易く蔑ろにされてしまうという事を証明したのでした。

 次の塩野さんの作品は『フリードリヒ二世の生涯』です。何年後に文庫化されるのかなぁ。