pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

あ、のれない

 どう表現すればいいのか解らなかったので。

 今読んでいる『ロード・エルメロイ二世の事件簿4』。Fateのスピンオフの一作なのですが、そこで英霊『イスカンダル=アレキサンドロス』に触れているところがありまして、宝具がね、ゴルディオンの神殿に収められている戦車だそうで・・・戦車?!騎兵部隊の機動力と衝撃力を史上初めて使いこなし、ペルシアの戦車部隊を無力化させたアレキサンドロスに戦車?!・・・凄く馴染まない。なんで愛馬ブーケファラスにしないの?悍馬でアレキサンドロス以外乗る事ができなかった、そしてアレキサンドロスさえ戦場以外では乗らなかった弩級な馬ですぜ。

 それに二つ目の宝具が数万人の軍隊・・・おいおい、そこは『アレキサンドロスの仲間たち』とも言われた騎兵隊でしょうが。ファランクスを育てて指揮したのはバルメニオンだから、二人セットで『槌と金床』って戦術名をつけるならまだしも・・・

 あー、Fateのセンスに乗れない自分を発見してしまたわー。

 まぁフィクションなのでどう楽しもうともいいのですけれども。

 それはさておき読み終わった本。

 

  新しい星系敷島で、敵対している『集合知性体』ガイナスの他にも異星文明がある可能性が・・・そしてガイナスとは絶賛手探りでのコミュニケートをしています。が、一瞬の隙をついて包囲網を突破され集合知生体が乗っていない無人機?『ガイナス戦艦』が離脱したというところで次巻へ。

 しかし林さんという方は、あからさまに事故るキャラクターというのを配置しますね。今回もそうでした。登場してから「あ、この人、絶対やらかすぞー」と思っていたら、本当にそうでした。こういうのも読者サービスなのでしょうかね?次巻は十一月予定だそうです。楽しみです。

 

オスマンVS.ヨーロッパ (講談社選書メチエ)

オスマンVS.ヨーロッパ (講談社選書メチエ)

 

  もう十七年前の発刊なので、もっと色々と新しい研究成果とかが出ているかも知れませんが、オスマン・トルコ関係の文章って、統括的なものを読んだのは90年代後半ぐらい?食糧関係の論文は読んだ憶えがあるけれども、通史的になっているものを読むのは久しぶりです。興味があったのはスレイマン一世以後、停滞状態のオスマンですが、その後二百年存続する理由が解らなくて、そのあたりを知りたかったのですが十七年前では明らかにされていない様子です。残念。

 ただスレイマン一世までは古代ローマの後継者、『普遍帝国』の後継者として、非イスラム教徒をスルタン家下僕として政権に取り入れ、能力のみのが問われ、スルタンに依存するサラリーマン状態の奴隷身分たちが政権運営をしていたのですが、スレイマン一世治世後半から風向きが変わり、イスラムが優先され(それまでも優先されていたけど)、奴隷身分たちの富裕、既得権化(スルタンの気分次第で身の破滅ですが、それ以外は政府運営の特権によりお金持ちになりやすかったらしい)、あと銃で武装したイェニチェリの優位が封建戦士階層の没落を、しかも『大航海時代』で新大陸の銀がヨーロッパに流入すると、その余波でオスマンにもインフレが起こり、土地収入で軍役についていた封建戦士たちが貧窮化するという・・・ん?日本の江戸時代にも似たような現象が。

 ただそのあたりは(解明されていないけど)立ち直らせる事ができたようですが、その後の第二次ウィーン包囲戦失敗辺りから、ヨーロッパの軍事技術の進歩にオスマンがついていけなくなり(イェニチェリが特権化して、まぁ江戸時代末期の旗本みたいに軍隊として役に立たなくなったらしい)、そしてヨーロッパのナショナリズムに影響を受け、もはやイスラムではなく「トルコ人」の国家になった時、オスマンは終焉を迎えます。第一次大戦の敗戦が契機ですが。

 資料とかは豊富に残っているらしいので、最近の研究成果を発見したら、読みたいですねぇ。