読み終わるタイミングが重なる時は、こんなものです。まずはコレから。
相変わらず魔術学院編です。学生の口を借りて色々な設定がオープンになっていきます。ま、正直読み流していますが(オイ
こそこそ探るような真似をしていた娘は、どうやら『お嬢様』の無理強いではなくて、出身家門の無理強いで目の下に隈を作っているようです。家門のモットーと自分の性格、周囲の環境とが音を立てて軋んでいる感じ。今回はそのあたりはメインではありませんでした。次巻は人食いな妖精と対峙するみたいですよ。
やたら話題になっていた作品の文庫化なので購入してみました。図書館では借りれなかったから。ミステリーかと思ったら、パニックホラー展開ですよ。そして、おいおい、あっさり死んでしまったぞ?そんな読み始め。後は、まぁ、クローズドサークルものに怪異を混ぜて、という感じですネ。シリーズ化されているので、次の作品も買ってしまう・・・かなぁ。あ、年末に映画化されますね。はい、例によってWOWOWで放映されてから見ます(オイ
でもこれ、『インセイン』みたいでいいよね?
カンボジア近世史: カンボジア・シャム・ベトナム民族関係史(1775-1860年)
- 作者: キンソック,Khin Sok,石澤良昭
- 出版社/メーカー: めこん
- 発売日: 2019/07/24
- メディア: 単行本
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ラストです。そういえばカンボジアの歴史って十三世紀頃まで栄えたアンコール・ワットのアンコール朝と、近代のポル・ポトの知識人虐殺、内戦、和平、復興という流れぐらいしか知らなくて、ではアンコール朝とフランス植民地時代をつなぐ歴史はなんだろう?とか思っていたのを、この本を図書館で見て思い出しました。
とはいえ、年代記を中心に語られているので、ええっと王家の内紛とそれに乗じて侵略、属国化を試みるシャムとベトナムという両隣国との戦争、戦争、また戦争という時代でして、読むのが辛かったです。固有名詞が読み慣れないし、似たような事件の繰り返しだし・・・あ、歴史が嫌になるってあの典型的なパティーンに陥りそうな本でした。通史の後に諸制度とか社会とか述べているのですが、読む気力は失せていました。
この本がポル・ポト時代フランスに逃れていたカンボジア人学者によって、フランスが収集していた年代記を整理したものなので、言ってしまえば基礎知識を並べたもの。ここから野史、他の伝承、考古学的発見などで補強整理されるべきものだと言えます。それが日本語訳されたのが、三十年後の現在というのが何とも・・・東南アジアの歴史に対する日本人の関心の薄さなのですかね。
カンボジアの衰退は、一に王家の内紛ですね。それを利用したシャムとベトナムに領土を奪われ、戦争に狩り出され、戦場とされ、どんどん衰退していきます。カンボジアは王家を頂点とした封建制ですが、最高裁判権は王家が司り、王家の任免で地方領主が入れ替わる事もしばしばでした。こう書くと王家が強力に見えますが、家臣も独自に外交勢力と結んだりしていますので油断がならない。
少し残念なのは、シャム(つまりタイ)とベトナムの状況説明が簡単なものなので、この三国が有機的に栄枯盛衰を繰り返していたのが十九世紀フランスがやってくるまでの歴史だとすると、もうちょっと両国の説明が欲しかったな、と。あと北の隣国ラオスも時々出てくるぐらいで(立場がカンボジアと似ているが、そこまで侵略されなかったのは山岳地帯に阻まれていたからかな?)、こちらの説明も欲しかったです。
今後東南アジアを研究する人が増えて、新書とか出版されると嬉しいですね。