pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

今のうちに

 今夜父親が飲みに行きます。んで今考えているメニューが生ソーセージをばらしたものと、玉葱みじん切り(というほど刻まないけれども)、擦りおろし人参、(何故か)胡桃を砕いたものを炒めて、カレールーを一つとお水入れて、カレーペンネをこさえてやろと考えています。初めて思いついたから(期待通り作れる筈はない)時間管理に目安がつかないので午前中に書こう・・・と思ったら荷物がきたよ。これが整理つくまで待ってて・・・

 はい、なんとか一区切りつきました。ので昨日見た映画から。

 

 

 人とコミュニケート不自由だけど刑事としては有能なデンマーク人と、アラブ系移民の相棒が迷宮入りしちゃいそうな事件を捜査していく物語。三作目?なのかな。

 以前に見た(読んだ)『ミレニアム』もそうだけど北欧のこういうサスペンスとか、謎解きものって社会的弱者が被害者になるパターンが多いなぁ、と。今回は1961年まで行われていた社会的、身体的弱者に対する不妊治療が根っこの事件。それが秘密裏に移民系女性へ不妊治療(というか処置だよな)する極右組織の話に繋がるってもの。

 日本でもハンセン氏病患者に不妊処置をして先年ようやく、その事に対して国家が謝罪、補償を始めたぐらいで、今から半世紀以上前はそういう『間引き』みたいな事をやっていた社会だったようですね、こういうのを見ると。そういう国々が半世紀後の現在、少子化でひいひい言っているのが、少し滑稽に思えたり。所詮人間の考える事なんて、こんなもんなんですよねー、ホモ・サピエンスって言ってもさ。

 ただ驚いたのがデンマークでそういう不妊処置をされた女性が1930~60年の間に一万一千人いたという事で・・・デンマークってさ、数百万人規模の国でしょ?下手をしたら1%近い人にそんな事をしていた訳で・・・いくら時代的に成人男子が激減していた(第二次大戦が期間中に入っている)時期でも、優性生存説の名のもとに、よくもまぁ・・・現代では福祉国家の代表格みたいに見られていますが、どんな国にも黒歴史はあるんだなぁ、と。

 

 

天武天皇の企て 壬申の乱で解く日本書紀 (角川選書)

天武天皇の企て 壬申の乱で解く日本書紀 (角川選書)

 

  こっちは天皇制を開始した、つまり現行の天皇制の始祖とも言うべき天武天皇プロパガンダを暴いたもの。まぁ兄天智天皇の正統な後継者大友皇子を倒して主権を奪ったからには、そういう仕掛けは必要ですからね。ちなみに天武天皇期以降と異なり、大友皇子の生母が低い身分である事はあんまり障害にはならなかったようです。考えられるのは天智天皇の妃で皇族出身の倭姫王を女性天皇にし、大友皇子が称制となるってところが穏当だったようです。

 しかし武力で皇位を得た効果は絶大であり、天武天皇は大きな権威を得、その後の天皇家の神聖性を絶対的なものとしました。どれぐらい凄いかというと、天皇になった人物は暗殺されないし、死罪にもならないというぐらい恐れ多いものになりました。他国ではありえない。

 それはさておき、面白かったのが壬申の乱以前と以後で変わったものは様々あるのですが、神々を祭るお社が立てられ、神の在所が確定したのが壬申の乱後だと言います。現在あるように天照大神を祖神とする神話が完成されたのがこの時期であり、それまで神は空気のような、精霊のような、何処にでもいて捉えどころのないものから、仏教寺院の影響から、拝む対象を決めた存在になりました。

 だから、神社の成立はだいたい1400年ぐらい前からと思ってまず間違いない。二千年前からうちはある!!とおっしゃる神社もありますが、ま、それも神話であると考えればいいです。はい。ま、何にでも例外は存在するので、考古学的な調査を経ないと確証はないですけれども、とりあえず天武天皇以後からお社というものが存在するようになったと。

 あと、最近は仁徳天皇から実在すると言われているようですが、あたしゃまだ具体的な実証論文を目にした事がないので、名前と実体がともなうのは継体天皇以後、それ以前は大王を出す複数の王家が存在した・・・とこまでかな?日本書紀の記述の中に、実在した大王と、系譜的なつじつま合わせの為に書いたのではないか?と疑われる人がいるので、そのあたりの考察を読みたいです、はい。もちろん記述だけでなく、考古学的な成果も併せて論証して欲しいですね。