pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

消費税率が変わりました

 2019年10月1日から消費税率が基本的に10%になりました。実は自分はこの処置には歓迎していたのです・・・計算が簡単になるから。

 以前から思っていたのですが、消費税って3%、5%、8%、10%と三十年以上かけて率を増やしてきた訳ですが、自分的には5%や10%ならまだしも、3%、8%ってなんだよ、と、ずーっと思っていたのでした。暗算で出しにくいぢゃないですか。

 増税になる事に反対される向きが多く、10%になることを歓迎とか書くと炎上してしまいそうですが、実際問題、社会福祉関係の税金比率は年々あがる一方で減る事はないそうです。理由の一つは、ま、年金体制の崩壊(支給額だけで生けていける月額じゃないから、崩壊だよなぁ)もあるのですが、二ヶ月ほど前に精神障害の方たちの社会復帰を支援しているNPOをしていらっしゃる方から興味深い話を聞きましてね。知的障害や身体障害を持っていて支援を受ける方は、比率的にそれほど変化はないそうですが、精神障害を持つと認定される方が近年急激に増えている、との事。

 「鬱は精神の風邪」と言われ、軽い精神的な疾患への抵抗感が薄れてきた事は基本的にはいい事で、処置を受ければ前向きに生きていける人が増える事はいい事ですが、その匙加減が精神科医の方たちに委ねられており、公的な、国際的な規範がある訳ではないと聞いた時は、ちょいと驚きましたね。言い方が悪ければ精神科医の方たちが生活できる収入を(儲ける為に)確保する為の患者数に客観的な判断基準が少ない(相互に精神科医の方が判断するから、ないとは言えない)という事になり、陰謀論的に言えば精神科医業界が結託すれば、いくらでも医療補助を引き出すために患者を増やす事は、不可能ではない、という事です。

 んで、この部分の医療補助が近年増えているらしく、それだけでなく精神障害の方の社会復帰を支援するNPO団体への支援基準が今まで笊だったので、そちらの出費も増えていたと。最近は実績のないNPOは支援を打ち切られる傾向になり淘汰が始まっているようです。それはさておき、昔のような精神障害に対する忌避感が薄れたことは、精神医療、そして自分一人で悩み苦しんでいた人々にとって朗報ですが、医療保険の支出者、つまり公的機関からすれば、今までにプラスして医療保険による補償を行わなければならなくなった事から社会福祉支出は多くなる事になります。それを補填する為の10%ならば致し方ない、そう判断できます(勿論、他の補填にも使うでしょーとも、ええ)

 しかし今回の軽減税率は、いただけない。つーか、悪法といってもいいぐらい。国民から富を収奪し、再分配する。それが税の基本です。個人レベルでは何ともならない、共同体の治安であったり、公衆衛生であったり、インフラ整備、共同体防衛、生活保障を行う為の、言わば『必要悪』といってもいいのが税です。できる限り簡潔に、解りやすく、不公平感が少ない事が望まれますが、今回の軽減税率は、なに?運営する前から不公平感どころか、現場の判断に苦しむケースが想像できるシステムぢゃないですか!!これをやるぐらいなら、食品税率は0にして、他の消費税を20%にした方がマシというものです。食品は、財産の多寡に関わらず、毎日消費しなければならないものです。収入におけるエンゲル係数が高い低所得層を補填するぐらいなら最初から食品税率をなくした方がいいに決まっている。それなのに、あの細かい規制はなんなの?どー考えてもトラブルを現場にまき散らすようにつくりましたって、そんな風に見えますよ。

 食品以外の耐久消費財は、まぁ作業服という消耗品を扱う自分なのですが、ぶっちゃけ、必要な時に必要なものしか購入されません。だから、買わない時は0%でも買わないし、買うときは、商税率が50%だろうと買うのです。ところが食品だけは毎日食べなければ生きていけません。買わざるを得ないものなのです。それに対してあんな細かい規則をこさえるなんて、悪法以外の何だというのか。これを考えついた人間は政治センスに乏しい人間ですよね。どう言いつくろっても攻撃される消費税に、わざわざ非難されても仕方ないシステムを導入するんだもの。しかもそれが『善意』から出ているのが、いよいよ救えない。

 自分は政治家という人種は「悪党」がなるべきだと思っているんですよね。「善人」は自分がやっている事が正しいと信じているから、システム的な欠陥に無頓着になりやすく、結果的に『悪政』を実施してしまう事が多い。ところが「悪党」は自分がやっている事が正しいことだとは思っておらず、利益分配で得する人間を多く想定する事で非難の声を小さくしようとするので、結果的に比較的多くの人々が利益を得る政策を実行する、と思っているのです。もちろん「正しい事を行っている」と演じる演技力も必要ですが、それも何も利益の為にやってくれた方が、まだマシです。

 「政治の本質は失政だ」と言うセリフを吐いたのはマンガ『風の谷のナウシカ』終盤に登場するトルメキアのヴ王ですが、このセリフ一つでアタクシは彼を尊敬すべき人物だと思っています。今の政治家に、素面でこれを言える人間が、どれだけいるのでしょうかね。

 ああ、読んだ本の事は一つも書けませんでしたよ、るるる~