pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

本を返却するものですから

 手元にないと内容が確認できないぢゃないですか。だから久々に平日朝に書いています。でも、ま、見栄えからこっちが先ですが。

 

  うっは。また時系列が前後してしまった。『キャプテン・アメリカ』のシビル・ウォーはこの作品を見た後に見ればよかった。仕方ないけど。そういえば「インフィニティ・ウォー」を先に見てるしな。次には見るけどね。

 つくづく時系列に並べて、順番に見ないとダメだな、と。一覧表つくって、順番に円盤を買うかな?そんな事を思わずにいられない作品でした。はい。

 

前田利家・利長: 創られた「加賀百万石」伝説 (中世から近世へ)

前田利家・利長: 創られた「加賀百万石」伝説 (中世から近世へ)

 

  幕藩体制を生き延びた大名家は記録が豊富に残るのですが、残り過ぎるのも困るもので、特に支配体制の安定化を狙い、藩祖を褒めたたえる為にエピソードを捏造する事すら江戸中期以降は行われてしまうので、それが本当にあった事なのか、どうかのかを確認する作業が大変見たいです。

 この前田家もそうで色々あるようです。自分的に解った事は、前田利家豊臣秀長死後重用される、また賤ケ岳の戦いで敗戦側でありながら許されただけでなく加増までされた理由は、利家の娘が秀吉の養女になっており、また利家嫡男利長が織田信長の婿になっていた事で、当時織田政権内で主導権を確立しようとしていた秀吉は、織田家縁者の与党を増やしたがっていたようです。のちに利家娘が秀吉側室になっており、ここに利家は秀吉にとって義父にもなるという立場に。

 徳川家康が実績、年齢にプラスして秀吉妹婿である事を理由に政権で重要視されたのと同じ理屈ですね。そうなると、やはり婚姻、血縁の親疎が重視されているとも言えます。

 また上杉討伐に先立つ『加賀討伐』というエピソードも捏造らしく、元ネタは利家死後に国元に下がった利長を上洛させないため、つまり当時大坂で進行していた家康クーデターの邪魔をさせない為に越前を封鎖させたことがきっかけで、その後の話し合いで利長は利家以来の『大老』の地位を放棄し徳川につく事を決定。そのあたりの外聞が悪かったのか、行き違いで敵対したけど仲直りした、というエピソードに変えたようです。前田、徳川、双方が敵対していたというよりも幕藩体制以前より仲良しだよ~をアピールしたかったようですね。

 何にせよ、前田利家父子だけでなく、まだまだ織豊期の大名、武将たちの研究は先入観があって進んでいない様子。これから進展していくといいなぁ、思いますよ。