pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

何とか入手できるのかしら?

 11/24の東京コミティアには一縷の望みを賭けていたのですよ。出張販売でみえているジュンク堂さんが持参してみえんかなぁ~って。儚い望みでしたが。なのでもう書店に申し込んで出版社に圧かけて、出してもらうしか手段はなさげなのでやってきました。三巷文さんマンガの『ハーモニー』二巻を取り寄せてもらうよう手続きしてきました。たぶんあまり分のいい賭ではないでしょうが、やらないよりはマシですしね。

 なので、本当は二巻を入手してから書きたかった。こちらの本です。

 

ハーモニー (3) (角川コミックス・エース)

ハーモニー (3) (角川コミックス・エース)

 
ハーモニー (4) (角川コミックス・エース)

ハーモニー (4) (角川コミックス・エース)

 

  一巻を読み終わった時にも書いたのですが、アニメ映画版の『ハーモニー』が、たった一つのセリフで異なった物語になってしまったように思えて、なのでそのデザインを使用している漫画版も警戒して購入しなかったんですよ。今思えば後悔。初版で購入しておけば良かった。それぐらい原作派からするとはまっている作画です。

 考えてみれば、この物語の主人公は現在進行形の時間軸では、深刻な顔か不機嫌な顔しかしていませんねぇ。そういう物語だからですが、マンガ化されると多少なりとも軟化すると思っていました。ずっと硬派のままだ。にやり。

 この物語で自分が感じた事は、『乾いた悲しみ』とでも言うようなものです。『復讐』と主人公はラストに言いますが、殺された旧友も父親の事も、気まずかったり憎んでいたり、忘れ去っていたりしていた存在であり、死んだと思っていたが実は事件の張本人となって現れた、少女時代のカリスマの方が、主人公にとっては重要な存在だと自分には思うのです。しかしだからこそ彼女の『変節』が許せず、『復讐』の名の下に引き金を引いた。そうした事を後悔せずにはいられないだろうに、今まで自分を騙し、裏切り、世の中を憎んでいた少女が、いつの間にか世界を、人間を愛している故に完全なる調和、自明の世界へ人類を誘う事が許せず、彼女が希求した世界へ彼女を行かせないという『復讐』を遂げます。多くのソレが何ももたらさないように、彼女のそれも彼女の悲しみしかもたらさない。でもやらずにはいられなかった。その表現がこの物語の肝だと思っています。それをここまで美しくも哀しく表現されている事が、自分にとっては幸せでした。

 なので、なくしたピースを埋めるように、『ハーモニー』の二巻を手に入れたいと思います。それを読まないと、完結した気になれないので。