pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

怪しい・・・

 いや、何がって、うちの家族が自分以外風邪ひきになりましてな。日曜日に上京して東京コミティアに参加できるかなぁ、と。今週はやたら眠たくて怪しい兆候はありました。火曜日に早めに寝たら、水曜日は、さほど眠たいとは思わず、録画しておいた大河ドラマの第一話だの、横溝正史犬神家の一族」を三十分ドラマにしてしまったものだの見ました。

 しかし父親は月曜日から、そして母親は今日から、風邪と判明。今夜は低予算でつくられて話題になった日本の映画『カメラを止めるな』を、録画しておいたものを見ようかなぁと考えていたのですが・・・ま、両親が風邪を理由に早寝してくれれば、こっちは早く見始める事ができて、結果的に早く就寝できるのですが。それを見越して(暇というのもあるけど)日記を店で書き始めた次第。

 んで昨夜見た大河ドラマ麒麟がくる』第一話ですが、これだけ野党やら人狩りやら、関所での通行税取り立て、払えないものを捕縛してしまうという、戦国期によくあった庶民の日常的災難を、描いているのも珍しいかなぁ、と。だいたい政治の話で庶民の苦労はセリフで終わりますからね。

 関所で取り立てしているのが比叡山の僧兵で、あ、比叡山焼き討ちの伏線がここに出てくるとはね、とか思ったり。あと大塚明夫さんの存在感が半端ねー。谷原章介さん、『新選組!!』の時とキャラかぶってね?そんな印象ですかね。

 第二話、三話も録画していますけど、どーなるんですかね?

 あと三十分で『犬神家の一族』をドラマ化しているのも、面白かったです。なんか事件の構造が解り易かった。そして、ヒドイ話もあったもんだな、と。ヒドイなぁ、創作だけど。

 んで読み終えた本。

 

  図書館で見つけて、読まなきゃーっと思いつつ手が伸びなかった一冊です。えいやっと借りたのは、どんな人だったのかね?とか思いついたから。史上唯一の女性皇太子になり、自らの皇位継承の正当性を血統のみならず仏教に帰依したものに求めた天皇でもありました。この辺は出家しながら在俗していた聖武天皇にならったと言えます。

 前半は母親光明皇太后藤原仲麻呂との連携で政務をとりますが、譲位後、仏教の導師として信頼した道鏡との仲を勘繰られたところから激怒します。生まれながらの王者、王族なので他人の目が気にならないし、男女の仲になんてなっていないのに下司の勘繰りしやがって!!という感情から藤原仲麻呂と対立。この評伝では仲麻呂謀反を受けて、と書いてありますけど、軍拡の果てに先手をとり、機先を制したのは彼女の方ですからね。だから一方的に圧倒して藤原仲麻呂一派を壊滅させられたのだし。

 不可思議な道鏡への譲位の意思ですが、度重なる近親者の謀反、反目から仏教的な学識、徳の高さを皇位継承の条件に加えようと試みた、と言います。しかしもっとも信頼する側近にすら拒絶された(宇佐八幡の神託によって道鏡への譲位を正当化しようとしたが、宇佐八幡側とは打ち合わせ済なのに、自分の側近広虫の弟和気清麻呂に阻まれた)事で道鏡への譲位を断念。しかし皇族で出家者、出家経験者への譲位をあきらめなかったので文室浄三という臣下に降りてなおかつ出家した元皇族への継承を遺言で残しますが、この出家者への継承を忌避されて、聖武天皇の婿になる白壁王への継承という遺言を「捏造」されてしまいます。

 まぁ僧侶を天皇にするというよりも、聖武天皇との姻戚関係がある人物への継承の方が受け入れやすかった、という事ですかね。

 おかげで日本はローマ法王みたいな宗教者トップが政治に介入して、政治が混迷するというヨーロッパみたいな展開にはならずにすんだ、とも言えますが、宗教者を天皇位につかせようという試みは、天皇位を神聖な、徳の高いものにしようとした彼らの試みであった、とも評価できるのかなぁ、と。

 彼女自身は男に迷った愚かな女、みたいな後世の評価になってしまって気の毒なのですが、血統論理での継承の方が日本では受け入れやすい、という事ですかね?