pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

映画も本も、結構稼ぎました

 お金儲けの話ではありません。買ったもの、録画したものを見たり読んだりできたという事です。

 土曜日はボドゲ会に参加して初めてやるゲームに触れる事ができたので、久しぶりに買いたいなぁ、と思ったり。あ、アタクシが買うゲームはルール簡単で酔っ払いでもできるものですよ?(オイ

 その日は飲む人間が自分だけだし、早めの切り上げだったので、帰宅してから映画見ながらドライジンを飲んでいました。お陰で日曜日のお腹は下り道でしたが(オイオイ

 そんな訳で見た映画から。

 

  へー・・・と見ていましたが、ご免、主人公の十四歳たちよりも悪役の方に感情移入してしまったよ。特に否定された少年時代を送り、やっと評価されたと思ったら「お前には純粋さがない」みたいな感じで少年時代にダメだしされた悪役の彼。出演俳優陣で唯一見覚えのある方だし(名前は覚えていないが

 ラストで同居家族の義理兄弟全員にスーパーパワーを分け与える下りは、やるな、と思いました。そして恒例の続編つくる気まんまんエンディングシーン。まぁ、応援するよ、君のことは(誰を応援したのでしょうか?

 

女王陛下のお気に入り (字幕版)

女王陛下のお気に入り (字幕版)

  • 発売日: 2019/05/15
  • メディア: Prime Video
 

  十数人産んだ子は流産、死産、夭折と全て亡くなり、夫にも先立たれたスチュアート朝最後のイングランド女王(彼女の治世でスコットランドとも合邦するのですが)アンに仕える二人の女性の、寵愛を競い合う確執を描いた作品です。

 ええっと自分が知っている史実は『スペイン継承戦争』というアン女王の治世とほぼほぼ重なり合う戦争の本なので、この映画がよりプライベートでエロチックで、あたかも女同士の確執のみで三人の関係が語られているのが、ちょっと物足りないかと。しかし当時の政争まで待ちだしたら物語がぼやけてしまうかな?

 『ペテン師ロビン』と言われたハーレー(字幕ではハーリー)という野党指導者は、傲慢で破廉恥な男として描かれているし(史実ではたくみな二枚舌野郎)、ゴドルフィンが与党指導者のように描かれています。実際はゴドルフィンマールバラはアン女王の王家の家臣が議席を得ているような存在で、政権運営に、特にヨーロッパで行われている『スペイン継承戦争』を戦い抜く為に多数派となったホイッグと組んで議会運営していた、という感じ。このホイッグの熱烈な支持者がアンの幼馴染みであり女官長というか王家の出納係であるマールバラの妻サラであり、アン女王自身はどちらかというと王権神授説を信じ、王家を支えようとするトーリー寄り。あ、ホイッグはどちらかというと王家を相対的に見ており、国王機関説みたいな立場(国家に都合が悪ければ王位のすげ替えもあまり抵抗がない人々)。

 アン女王とサラの仲違いは映画のようなアビゲイルによる策略ではなく、党派的に役職を要求してくる、生理的に嫌いなホイッグをサラが熱烈に支持、支援し、人前にも関わらず女王を叱りつけたりしたという事が重なって、アンのサラに対する不信感が増大し、ついには信頼していたゴドルフィンマールバラさえも罷免してしまうというもの。そして財政理由からトーリー政権は同盟諸国にも黙ってフランスと単独講和してしまい、実際の戦闘中に和平が成立したのでイギリス軍は戦場から離脱してしまうという、ありえない裏切り行為をしたという大変不名誉な結末。

 結局しばらくしてアン女王が亡くなるとプロテスタントの王位継承が優先され、アンの異母弟やより近しいカトリックの親族を退け、裏切った同盟国の一つハノーヴァー選帝侯がイングランド王となります。当然新王はそんな裏切りを行った連中に好意を抱くはずもなく、トーリー政権は失脚します。

 それを頭に残してこの映画を見ると、最後に勝ったのは映画では国外追放になってしまったサラなんですよねー。アン女王没後、サラは夫ともにイングランドに戻り、夫没後もホイッグ支援者として活動し、イングランド初代首相と言われるウォルポールを支えたとも言われます。

 まぁ政治的な勝利であって、寵愛を争う女の三角関係においては、「だから?」なんですけれども。

 なかなかえげつない映画でした。ロココをグロテスクに描いたりもしていて。