pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

金森氏の根幹にあるのは怒りだと思う

 いや、すんません。『映像研には手を出すな』既刊読了したので。

 

  TVアニメ版を見て入った人間なので、セリフ回しやテンポはそちらが基本になってしまうのですがね。

 自分も創作をした経験のある人間なのですが、浅草氏や水崎氏よりも金森氏の方に考え方は近いかも知れません。あと文章作成でラストシーンありきで話を作り出していく人間なので途中の変更とかなるべくしたくない、できない、やりたくない・・・ああ怠惰なんですよね、はい。よりよいものを作り出すというよりも、自分が吐き出したい、文章化したい物語が最初にあり、それを書き続けていく作業になるので、書いてしまったら満足なんですよね。ネタがないと言いながら、気が付いたらネタを思いついて、いくらでも文章を書き続けてしまう人間。それが面白いかどうかは知りません。自分が書いていて楽しいのが一番なので。物を売るとなると困ってしまうのです。他人の素材を販売するには何の拘りもなくできますが、自分のものになると、こっばずかしく、書き終える事、冊子化する事で満足してしまい、販売の事は考えないという・・・ダメな感じ。この辺は浅草氏や水崎氏側です。

 しかし実生活において、あるいはイベント、コンベンション運営に関すると考え方が金森氏的になります。締め切りは第一であり、約束した期間内に全てを用意するスケジューリングを組み、達成する事に喜びを感じます。値切りという事はあんまりしません。相手が提示するものが自分たちの労働対価であるなら払うべきですし、他に同等の仕事をこなし、価格が安くこなすならばそちらを選択する事になります。対価計算は損益計算された上で出されている訳で、仕事するだけで赤字になるようなものを背負わせる事は相手のブラック化にしかなりませんから。

 自分はこの作品は、金森氏が要であると考えています。彼女の考え方が他の青春ものと『映像研』を隔絶し際立たせているものであり、実生活のシビアを乗り越え、自分たちの作りたいものを作り出していく下支えとして欠くことのできない役割でもあると考えます。

 金森氏が現在の性格形成に至ったのは「年金では生活できない」という現実を子供のころに知ったためであり、働けなくなった後の生活費に対する不安や、そんな社会に対する漠然とした怒りがあるのではないか、と自分には感じられます。だから彼女は不機嫌な顔がデフォだし、笑っても悪人顔です。しかしそんな彼女の言動に喝采を送り、こうならなければ「新自由主義」という適応できないものは〇ね、という現実の経済界では主流の考え方に対応する事ができないのだとも言っている、と感じます。こうなりたい・・・ま、詭弁を垂れ流す事は自分にもできますが(あ

 んで先ごろ実写版のPVがYoutubeに流れていたので、ちらりと見ましたが・・・金森氏から毒が抜けていますな。普通の青春創作ものドラマになりそうな感じ。唯一気になっているのは、生徒会書記にして事実上の会長ともいえる「さかき・ソワンデ」を演じる方がアフリカ系の血を引く方っぽくて、その存在感がどうドラマに反映されるか、ぐらいですかね。

 どうも『映像研』の実写化は東宝のプロデューサーの「狂気」から始まったようですが、これってさ、映像作成にかかわる人々の青春妄想に関わっているから、こんなに映像化したいと熱望するのかしらんね。

 ま、アニメ版のBD-BOXは予約しましたよ。はい。