pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

カレーづくりに手間取り

 二人しかいないのに四人分こさえました。アタクシがたらふく食べたかったからです。麦酒も缶二本飲みました。いやね、いただきものの発泡酒と麦酒の違いを確認したかったからで、発泡酒だけ飲んでいると『ビールだなぁ』とか思うけれども、その後に麦酒を飲むと、ダメですね。色は麦酒だけど、香りや甘み、味わいというものが発泡酒(少なくとも自分が飲んだものは)にはない。喉ごしはいいのですが、それ以外にはないのですよ。なるほどねぇ。

 まぁそういう事を言いたい訳ではないのですが、読み終えたもの。

 

  読んでみたかったのですよ、ドイツ帝国の皇帝の話を。で読むとですね・・・親しく付き合いたいとは思えない人ですね。付き合いきれない。幼少期の、両親の教育が酷かったせいで、性格がねぇ、おおよそ信頼を得るような人柄ではなくなっているのですよ。移り気でリップサービスに走り、強気一辺倒の発言なのに、内心は弱気の虫。自分では並ぶ者のない才能を持っていると過信している為に、助言とか受け付ける質ではない。知性はあるのに使いこなせない。そんな人柄ですね。

 副題にある『国民皇帝』という名は、ドイツ帝国というある意味砂上の楼閣を本物に変えようとした行為によるものかも知れません。今まで知らなかったのですがドイツ帝国(第二帝国)って連邦国家であり中央政府なるものは存在していなかったのですね。んぢゃどこかそれを担っていたかというと、ドイツ皇帝を兼任するプロイセン王の政府が担っていたという・・・あれ?百年ぐらい前にありましたよね、神聖ローマ帝国という、名前が全て偽りみたいな国。あれそっくりぢゃん。法律的にはドイツ軍なるものは各邦の軍隊が集まってできたものらしいですよ。ただしヴィルヘルム二世の『玩具』である帝国海軍は、帝国が運営していたものらしいです。ただつくっただけで戦略的には意味のない大艦隊だったみたいですが。

 当時のドイツは新興国として英国を追い抜き追い越せ、という感じでした。しかし成立の因縁からフランスとは敵対しており、ドイツ帝国事実上の創始者である鉄血宰相ビスマルクはフランスを孤立させるべく外交を整えていったようです。しかしヴィルベルム二世の朝令暮改な外交方針、成り上がり特有の『傲慢なドイツ人』という国民的な評判から逆にドイツが孤立していき、色々な思い込み、誤断から第一次大戦が勃発。ヴィルヘルム二世は戦争回避したかったようですが、押し出しとは裏腹に弱い性格なので積極的には動かない。気がついたときには取り返しのつかない事に。大戦中は大本営にいたようですけれども、朝令暮改癖を警戒されて、雛段の飾りみたいに祭り上げられ、何も仕事をさせられず、呆れた事に薪割り以外の仕事がなかったというから、えー!!ですよ。

 それでも同時代の人の中では幸せな方です。革命が起き、亡命を余儀なくされても財産は認められ、最後まで金銭的に貧窮する事はなかったし、節制を心がけた為、八十二歳まで生きました。ただ考え方が古かった。『国民皇帝』としてドイツ帝国の象徴となり結節点になりながら、王権神授説を信じて、家父長的な支配権を振りかざし、その責任をとらない・・・王室社会でも友人がいないって、そりゃそうだわな。

 あ、それからドイツって国はですねー、第一次、第二次大戦と、やはり負けるべくして負ける国でしたね。ヴィルヘルム二世がどーのこうのではなく、これはもう宿業って奴ですヨ。

 そんな事が解った本でした。