pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

暇すぎる

 昨日は入荷した荷物を取りに出かけたけれども、今日はその昨日よりも入荷する荷物があったけれども、暇、なのです。読書と居眠りが進む、進む・・・居眠りが進むとはいいませんね、はい。

 なので店で読書感想文書いちゃうよ。自宅で書くつもりだったから、本自体はここにはないのですが。

 

マーガレット・サッチャー: 政治を変えた「鉄の女」 (新潮選書)

マーガレット・サッチャー: 政治を変えた「鉄の女」 (新潮選書)

  • 作者:冨田 浩司
  • 発売日: 2018/09/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  英国のみならず現代政治の流れを変えたとも言える人物です。女性の首相である、というよりも(ご本人は女性政治家の進出を積極的に進めた形跡はない)、イデオロギーよりも政治家の個性が政治に直接影響を与えるようになった契機とも言えます。

 この方は熱心なメソジスト・キリスト教徒の過程に育ち、国家が権利をすべて保証して、社会が停滞するよりも、個人の自由が尊重され流動と進歩が活力を生む社会になるべきだとして、今日の視点からすれば新自由主義の価値観から政策を進めた人です。ただしご本人は大変な慎重家で、自分の支持基盤である中流階級(単純労働階級よりも上の収入、生活水準)の動向、世論を気にしていたそうです。

 フォークランド戦争の時も何度も何度も逡巡しながら、結局は「武力による侵略を許せば、秩序が失われる」という観点から派兵を決定。軍事の素人であった事がポジティヴに働き、作戦レベルには口を出さず、軍が動きやすい政治環境を整える事に専念したようです。ただし例外は存在しており、軍事的効率が政治的見地から無視される場面もあったようです(輸送艦を撃沈された為に、不十分な装備で英軍は決戦を余儀なくされたけれども、和睦の斡旋状況から作戦が早められたらしい)。

 自分が物心ついた頃の英国首相がサッチャーさんで、やっぱりその後、どんな人が首相になってもサッチャーさんの影がちらつくのですよね。それまでの首相は閣僚との意思疎通を重要視したらしいですが、サッチャーさんは好悪が激しく、党内の勢力を取り込む必要性から、政策、性格が合わない政治家を入閣させる事もあり、その場合、その分野の政策決定は側近との相談で策定される場合が多かったようで、つまり大臣なのに蚊帳の外という事もあったようです。大統領的首相と言われる所以で、どうも現代の行政府はそんな大統領的な運営をする首長が多いようです。それが効率的と判断されているのでしょうかね。

 認知症を患い、そして亡くなりましたが、レーガンさんもそうだけど印象が強烈な外国の政治家さんが、そういうちよっと見ていられない姿の晩年になってしまったのは、寂しい感じがしましたね。

 そういえばサッチャーさんはEUにすごく懐疑的でした。そして英国はEUから離脱していきます。そういうのも考え深いですね。