pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

諸々の事情というものがあるのです。

 暇なのは変わりありませんが(オイ

 母親のそんなに多くない遺産関係で、色んなところへ父親が書類を整える為に自転車で走り回っています。自分も諸々の書類が必要なので、いずれ区役所へ行きますが、ああいう書類仕事の方の悪い癖で(いや、たぶん事務方の人たちも必要な書類を全て把握している訳ではないのでしょうと、あまり不平は書かないでおく)、書類を持って一度では済まず二度、三度、とはよくある話です。

 アタクシの場合はまだいいですけれども、比較的遠方に嫁いだ妹は、なるべく一度で済ませてやらないと大変ですからね。情報が全て出てから連絡してやらないと(

たぶん父親がやると思うけど

 さて、今日は読み終えたもの。

 

風牙 (創元日本SF叢書)

風牙 (創元日本SF叢書)

  • 作者:門田 充宏
  • 発売日: 2018/10/31
  • メディア: 単行本
 
追憶の杜 風牙 (創元日本SF叢書)

追憶の杜 風牙 (創元日本SF叢書)

 

  これ、題名では良くわからんですよね。たぶんこの方、表に出てくるところで損しているかも知れない、とか思ったりします。

 仮想現実ものは三十年前の『攻殻機動隊』からこっち、いろいろとSFネタで出てますが、この作品では人の記憶を元に仮想世界が作られています。ただし記憶は本人にしか理解できない事象で、巣のままでは本人とは異なる受け取り方をしてしまう事がある(同じ夕闇の光景でも、その人の印象によって不安を感じるものになったり、郷愁を感じるものであったり、期待に満ちたものなどなど個体差が生じる)ので、それを『辞書』をこさえて、一般的な認識を沿う形にする、そういう作業をしている特殊技能の持ち主が主人公の女性です。

 ただしなかなか特殊で、感受性が強すぎて人の思考に同調しすぎてしまい、自我が保てない存在だったそうで、十五歳で『サルベージ』されるまで無反応だったとか。いわゆる超能力ものではなく、そういう精神症状というとらえ方をしており、人の心を理解する、ではなく、人の心を察するにとどめています。

 人の記憶に踏み込む行為なので、一般的になればなるほど世間との軋轢が生じ、また新たな犯罪の原因にもなっていますが、それに対して一つ一つ誠実に対処している運営会社の仲間たちって感じのお話ですかね。

 ただ宣伝というか、煽りというのか、そういう文言が自分には解りにくくて、最初は記憶を調べる探偵ものかと思いましたもん。そういう『超常能力もの』を便利に使われて話を作られてもなぁ、と、厨二設定を読みすぎた人間としては、あんまり魅力を感じませんでした(逆に厨二愛好者向けの宣伝だったのかな?)

 今は、このシリーズが続いてくれるのを期待しています。切ないし、ひりひりするし、どうにもならない部分を乗り越えて、なんとかできる事をしていく、そういう人間模様が好きなものですから。

 最新刊は去年ですから、二・三年後に次の巻が出るといいなぁ。