pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

見たし読んだし飲んだし

 つーても家に引きこもってできる事ばかりですけれども(あ

 飲んだのは赤葡萄酒ボトル一本。美味しかったけど、産地とか銘柄とかは特に記録していない。ま、いいか(いいのか

 見たのはこれ。

 

ホテル・アルテミス ~犯罪者専門闇病院~ [DVD]
 

  ジュディ・フォスターは老いても可愛い。すみません。個人の好みです。こういう「あったら面白いだろうな」という状況で(ある意味)密室のドラマが進行するのは結構好みです。TRPGとかでやりたいシュチですね。

 

カーテン(クリスティー文庫)

カーテン(クリスティー文庫)

 

  相変わらずドラマのDVDは見つけられなかったので文庫本で代用。アガサ・クリスティが生前に用意しておいたポワロの最終作です。彼女が自身の死後に公開するよう遺言していた作品で、焦点は「法では裁けない悪意」です。「殺人を容認しない」ポワロが、この作品の犯人?である、自分では決して手を汚さず、人が持つ害意を殺意に変えさせて実行させるという人物を見つけたポワロが、いかにそれに対処するのか、というのがオチです。なんかネタバレっぽい事を書いてしまっているなぁ。

 ボトル一本干した後に見たので(飲んでいる最中は『ホテル・アルテミス』を見てた)重要な部分で寝オチしてしまい、二度見しましたけど、なんか、全てが痛々しく感じましたネ。そして他の作品には滅多に描かれない、人物像の終演という奴なのかなぁ、とも思いました(ホームズは行方不明になった後、生きてましたをやったのだったかな?他の「名探偵」はあんまりしりませんけど)

 んで読み終わったのはコレ。

 

院政 天皇と上皇の日本史 (講談社現代新書)

院政 天皇と上皇の日本史 (講談社現代新書)

  • 作者:本郷 恵子
  • 発売日: 2019/05/15
  • メディア: 新書
 

  前にも書きましたが旦那さんで同僚研究者(だと思った)本郷和人さんよりも刺激的な研究をされます(というか旦那さんの方は読本よりの文章)

 中公新書の、美川圭という方が同名の書を出していらして、そちらは自分も持っています。そっちは院政の外側を論じた、という印象(うろ覚え

 こちらは院政の実際の運営、政治的な使命を書き、南北朝、室町、戦国期、江戸時代まで筆が延びています。基本的に皇位継承が安定するのは、江戸時代になって江戸幕府により経済的なバックアップと、法度、つまり法律による皇位継承の基準を定めた事が契機といいます。それまでの皇位継承は、なんかね、法令によるというよりも、時の権力者(天皇家の家父長だったり、外祖父である摂関だったり)が自分の都合のいいように皇位継承を行っていたという感じで、取り決めがないものだから主体権力を失った承久の乱以後は皇室では皇位継承を決められないという自体に。

 まぁ天皇家そのものが鵺的な存在とも言えます。時代時代に適応して、その有り様を変化させたからこそ、現在まで存続しており、現在の上皇陛下ほど『象徴天皇のありよう』を考え、模索し、三十年かけて自分の行動によって完成させた方はいないと言っていいでしょう(象徴天皇は文章上の概念でしかなく『かくあるべし』という例を内閣が提示した事は、たぶん、ないはず。もしかしたら誰かが進言したかも知れませんが、今のところ、そういう文章を目にした、公表された、というのは知りません)

 皇室や天皇に対する『伝統』を口にする人たちは、儀礼、儀式についてのみを言っているのではないか?天皇という地位に存在する人物が、どのように振る舞い、どのような存在として地位づけられるべきなのか、そういう事を真剣に考えているのかな?とも思います。それを考えれば女性天皇を否定するというのも変な話だと思いますがネ(宗教的儀礼の方を変更させるという発想はないらしい)