天気の変化が目まぐるしい一日でしたね。ピーカンの夕方の空模様を見ると、やはり冷えた麦酒が飲みたくなります(病気
ポワロのドラマは珍しく殺人未遂事件をポワロが止めるという回を見まして、うへぇ、どうしてもこの殺人未遂犯に同情してしまうぜよ、とか思ったりしたり・・・今夜はポワロものを見た後、録画してある三谷幸喜さんの映画『記憶にございません』を見ようかと考えています。どうなるか解りませんが。
とりあえず読み終えたものです。
珍しく最近発刊された本を愛知県図書館で見つけまして、読みました。ビザンツ帝国と言えば、マイナスイメージが先行してしまうのですが、曲がりなりにも千年王国ですからねぇ。衰退と繁栄を繰り返した挙句に滅亡なんですけれども、この本においては第四回十字軍によって滅ぼされた時に『帝国』としても滅びた、という立場で、その後ニケーア政権がコンスタンティノープルを奪還しますが、もう地方政権と言って良いでしょう。マジもんのギリシア王国でしかない。
分水嶺はバシレイオス二世以後。このあたりまでは何とか持ち直していたのですが、この後の政権争いで、辺境の軍備やインフラよりも都での利益分配が優先されるようになり、冷や飯食いの上に外敵との防衛戦争で身を削ってきた地方軍が頻繁に反乱を起こすようになります。
一応アレクシオス・コムネノスが安定させますけれども、しかしトルコを初めとするイスラム勢力の攻勢をしのぐ事はできず、十字軍招致とか、まぁそんな事をし始めます。それでも彼の孫の代までは何とかそれなりに運営されますが、官僚機構を備えた『帝国』というよりも、家父長制の私有物みたいな、つまり中世ヨーロッパ的な組織になり、指導力のない指導者でも回せる組織力がなくなり、有能な指導者がいなければ
空中分解する代物に。
これって、ビザンツだけの話ではなく、特に地方の富を吸い上げた中央が、その富を地方へ還元せず、中央で消費し始めると国自体が衰退を開始するという・・・ええ、聖武天皇の時代とか、そんな感じでしょう?日本の朝廷が次第に実態を失い、国家ではなく私産の集積を皇室からして率先して行い始めたのが平安末期の日本です。
そして請負武力の武士が台頭して『承久の乱』で力関係が逆転した・・・で済んだのは、日本が孤立した島国だからで、これが陸続きだったら、平安時代、平将門や藤原純友の乱あたりで外敵に攻められてヤバかったのではないかと思ったりします。
日本は幸運だよね、そう思うと。
久しぶりにビザンツ帝国の歴史を読めて楽しかったデス。第四回十字軍あたりのビザンツ側の事情がはっきりしたのが良かったなぁ。