pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

雨、雨~

 いや、別に楽しい訳ぢゃないけれど(あ

 九月になれば多少なりとも秋冬ものが動くかと期待していましたが、まぁ、こちらの期待ほどではないですね。こんな風に午前中に日記書いていますもん。今日は午後からは配達業務で北から南と走り回らなければなりませんが、それがなかった一昨日やら昨日は、まぁ・・・ガソリン代が浮いていいですねー・・・ぐらい?

 世の中新型コロナウイルス不況なんですなー。息をひそめているぐらいしかないのですが。

 そんな息をひそめて生きている時に最適な趣味ばかりのアタクシとしては(オフTRPGやらボドゲができないのは大変痛いのですが)、あんまり日常が変わらないのでね、読書感想文は相変わらずはかどる訳です。

 

  世界史ジャンルだとハプスブルグ家の事績と一緒に語られてしまうので、こういう独立した本の『オーストリアの歴史』というのは珍しいかも知れません。確かに中世後期から第一次大戦まで、オーストリアの歴史にハプスブルグ家は大変な影響を与えていますが、それが全てではないのも当たり前な話です。またオーストリアと一括りで話せる話でもないです。

 大まかに見て農業的に豊かな東部と山岳地帯で鉱山、放牧が中心のスイス的な西部と分かれ、各州別にハプスブルグ家に対して冷淡だったり敬愛だったりの感情があります。その開発や発展に寄与すれば親密度が大きくなり、反対に発展を阻害するような事をすれば敵対心が強くなるのも当たり前です。

 また首都ウィーンに対する感情というものがあり、多民族国家であったハプスブルグ君主国の事情を反映してコスモポリタン的なウィーンと、最も多数の民族の力が強く排他的な傾向になる州という問題もあります。特に『国民国家』と『民族自立』が一世を風靡した二十世紀以後は、それまで問題なく共存していた多数の民族が敵対関係になり、隣人同士が血で血を洗う諍いを展開します。同じ問題を抱えたユーゴスラビアの紛争と同じく、オーストリアでもアルプス地方に属する、比較的一つの民族が多数を占める地域ほど、排他的な諍いが強くなる傾向があるような。

 中東からの難民問題も絡んで、極右政党が議席数を伸ばしたりする現象も、そういう地域の事情とは無関係にはないでしょう。

 日本において、特にリベラルと言われる人々ほど『中立』という言葉を理想化しがちですが、どちらにもつかないという事は自分たちだけ安全であればいい、という自己中心的な考えともつながります。またスイスやスウェーデンがどのような険しい道を歩んで第二次大戦中の中立を守ろうとしてきたのかも、知らないのかも知れません。オーストリアも大戦後、永世中立を謳っていましたが、はてさて、今後どうなるのでしょうかね?

 『物語〇〇の歴史』シリーズの中でも興味深い一冊でした。