pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

映画三本

 三連休と申しましても晩に、父親が寝室に下がってから録画しておいた映画を見るので、実際には金土日の晩に見ました。洋画二本と邦画一本ですが、自分が洋画演出が(というか、なんだかんだいうて、ハリウッド映画が)好きなせいなのか、よかったな、と思うのは洋画、ハリウッドもの二本ですね。

 

  探偵ものというだけで録画したので、後からブルース・ウィルスやウィリアム・デフォーが出演していると知ったぐらいです。主演で監督された方は、あんまりに覚えていない人だた。物凄く泥臭いハードボイルドで、命の危険にさらされ、恩人は殺され、そして得たものはヒロインの身の安全だけ、というオーソドックスなハードボイルド。

 主人公がダウン症で、緊張すると突発的に叫んでしまう事を抑えられない、つまり目立つし隠密に不向きだし、探偵としてどーかと思う体質なのですが、記憶力は抜群にいい。理解力も。だから場数を踏んで緊張する事に慣れたなら、もうちょっとマシになるのかなぁ、とか考えたり。

 ハリウッド映画には良くある事ですが原作設定だけを用いて、話の筋は全然別物だそうです。監督の祖父にあたる方がニューヨークの都市再開発に関わった方らしく、その点を踏まえて、再開発にまつわる不正、陰謀の物語となっています。ハードボイルドっぽいのは、人間性では最悪の男が再開発に賭ける情熱だけは(権力、名誉の為なのですが)本物で、賄賂とは無縁なこと。悪い奴は悪事を全て行うと考える向きには納得してもらえないかも知れないけれども、本当の悪党というのは、自らの野心を達成する為に細心の注意を払うので、周囲に利益を振りまきながら、最もおいしいところをかっさらうものだと思っているので、わたくしの財産を増やす為だけの賄賂を許さないという局面もあるよなーっと思うのです。

 人間の両面を見たい方むけかなぁ。

 

  ポップでコミカルなんですけれども、実は深くて人間の暗闇を描いたりもしている作品ですね。解説している人たちが「こういう映画が日本でつくられないのは何故だろう?」って言ってみえましたが、同調圧力が強い日本ではやりにくいかと。あとヒトラーナチスの思想は完全に間違っていると言えるけど、日本の場合、思想というよりも政治家や軍部の無能や傲慢故に、という面があると思うので、一概に笑い飛ばせないのです。かわりに『この世界の片隅に』みたいな作品になるのではないかなぁ。信じていた正義、世界が、敗戦とともにそのメッキがはがれて、それに費やされた努力や犠牲を憤り、泣く。日本人の立場だとそういう感じになるのかな。

 予備役大尉が最後、主人公の少年を救うところが一番きました。たぶんこの人、副官と同性愛関係だったのではないかな?とか思わせるシーンがちらほら。だから同情的だったのかも。

 評価高いと聞いていましたが納得の作品です。

 あと、ハリウッド俳優に大根は少ないと思っているけれど、スカーレット・ヨハンソンは芸達者な人だなぁ、と思いましたね。

 邦画は『引っ越し大名』という作品を見ましたが、素材としては面白いし、筋立てもいいけど、なんだろう。上記作品に比べると一歩劣る感じがしました。個人の感想ですが、はい。