pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

鼻水は相変わらずです

 一番ヤなのは、鼻水が喉に垂れて炎症を起こしているような感じになり、喉がいがらっぽくなっている事です。おかげで歌う時に、力任せな高音(自分にとって)を出す事ができません。やると咳き込む。薬に頼るのはダメな気がするので、何か日常的な習慣で改善する方法とかないですかねぇ?今のところ、うがいぐらいしか思いつかない。

 それはさておき、読み終わったもの。

 

ジュネーヴ史 (文庫クセジュ)

ジュネーヴ史 (文庫クセジュ)

 

  うお。新しい本だ。でも原書は2013年ぐらいですかね?だいたいそれぐらいのところまで記述しています。言ってしまえばスイスの地方史なんですが、ヨーロッパって、明治維新後に中央集権が進んだ日本と異なり、割と小規模な共同体が大国の庇護下にありながら独立を保ったという例が多く、現在でもリヒテンシュタインとか、サンマリノとか、そういう都市規模の国家が存在しています。ジュネーヴもそういった歴史を持つようで、スイスの首都ベルンとは一線を画しているような存在です。というか、日本では国際機関の本部が結構あることで、ベルンよりも知名度があるのではないかしらん?

 アルプス山中にあるスイス諸邦は、立地とは裏腹にヨーロッパの地中海側とアルプスを挟んだ北側を結ぶ交通の要路で、たぶんイメージ的には山を登ってきて一休みできる都市って感じなんぢゃないですかね。単なる想像ですけれども。

 ジュネーヴはフランス語圏に入っていて、サヴォワの君主国と独立をめぐって紛争を繰り返し、フランス国王が後見になる事で決着。これは別にフランス国王の善意でもなんでもなく、外交的な駆け引きの結果ですね。

 有名なスイスの時計は、このジュネーヴものが主力のようです。これらは自発的に起こったものではなく、宗教戦争の時期に迫害されたイタリアやフランスの新教徒たちの資本家(貴族階級や金融業者)や技術者によってもたらされたもののようです。といって別に宗教的に寛容という訳ではなく、カトリックに対しては排他的です。しかし外部からの移住者、外国人居留者によってジュネーヴの産業や形態が変遷を遂げているらしく、そういえば著名なカルヴァンもフランス系の遊学者が居ついたって感じで『新教のローマ』みたいなジュネーヴを作り上げたみたいです。

 そこが、地元を大切にする心と、新規移入者への寛容という相反する心情がジュネーヴにはある、とこの本が言っている理由でして、しかし多かれ少なかれ、どんな共同体も自分たちの伝統と新しい技術との、うまい折り合いを見つけながら歴史は紡がれている訳で、どちらか一方になっても、例えば伝統ばかりを重んじると袋小路に陥り衰退していくし、外来新規の文化を追い求めるとアイディンティティの喪失となる訳で、そのバランスが重要なのだなぁ、とか思ったりしますね。はい。