pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

睡魔に敗北なんてデフォですよ

 そんな感じで開き直った週末でした。だってねぇ?昼飯食ったら自動的に寝てまうんだもの。日曜日なんて転寝を省いても一時間半は昼寝してしまいましたよ。挙句が夜の寝つきが悪くてね。もう、もう!!ってな感じですよ。

 しかしですね、映像は二晩続けて見ましたし、読み終えるぞーっと決意した本二冊は読み終えました。

 

  通説的に負けた方が大敗したといわれる合戦に焦点を当てて、一次資料とか、二次資料でも検証したものを使用して論じたものを集めた本です。だいたい軍記もので大敗と言われる負け戦でも、負けた方にしても決定的な滅亡原因ではないよーっとか、実際の戦況の解説とか、戦後の、子孫たちによる戦の位置づけが変化するとか、そんなものを書いています。

 長篠の合戦武田勝頼にとってプラマイゼロって感じで、助言と『足枷』両方の効果のある先代の老臣たちの大部分が亡くなった事により、自らの意思を貫徹できるようになりました。しかし再建した兵力は雇い兵であり、促成で戦力化する事ができても、一旦形勢が不利になると脆く、崩壊は迅速でした。譜代家臣の多くを失ったという事は武田家を運命共同体と認識する者たちの減少という側面があったという事ですね。

 目を引いたのは大内義隆の雲州敗軍。尼子家本拠を包囲しながら決定的な勝利が得られず、調略で切り崩した尼子方国人領主に「弱くね?」と疑問を抱かれ、また寺社公家の領地を返付するという、横領をしていた出雲の国人領主にとってはデメリットな政策を喧伝していた為に、国人領主が積極的に支持する理由を自ら捨てた、という敗因も面白かったのですが、この敗戦で大内義隆はやる気を亡くした訳ではなく、むしろ朝廷権威を積極的に取り込んで勢威を、やる気をみせております。ところがどうもその朝廷の官位獲得に幕府ではなく、公家経由の伝手を使ったらしく、戦乱で収入が激減していた公家たちにとっては、ご新規のタカリ先・・・いや、新しいパトロンという感じで、縁者が次々に山口に下向。大内家家臣からすれば居候が増えたという感じでしょうね。

 そのうち、公家たちの世話や文化的な行事に割かれる予算が増えていき、それに不安を感じた陶隆房を中心とグループが、一旦養子入りしながら実子が生まれた為に宙ぶらりんな立場に追いやられた大友義鎮弟と結びついてクーデターを起こしたという展開。

 他にも桶狭間の戦いも、今川方からすると面を制圧する戦いをしていたところ(つまり織田方が決戦を挑んでくるとは考えていなかった)、迅速に今川本陣を急襲した織田方に敗れたという感じで、戦場では少数が多数に打ち勝った、という様子ではないだろう、という話。その展開は納得できるかな。

 そんな感じで緻密に調べていただいた事をまとめているので、面白い本でした。もう一冊は明日になりますね。