pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

じゅうねんごしに読み終えた~

 実際に読了したのは土曜日だったか、日曜日だったか・・・Twitterで呟いたから解る・・・土曜日でした。

 

  帯の文句が結構過激ですが、それは読み手の受け取り方それぞれだと思うので、別にいいのですが、自分は飛さんの作品としては肩の力を抜いて読めるジャンルだと感じました。何故かと言うと、書き手にそういう気負いがない、(比較的)リラックスして文章を描いている、と感じたからですね。

 最初に読んだ作品が『グラン・ヴァカンス』だったからなのか、結構身構えて飛さんの作品に向かう傾向があります。『自生の夢』の中の短編の中には、今から思えば同じようにリラックスして書いているように感じられる作品もありましたが、やっぱりホットスタートだったので、そうとは理解していませんでした。違うかも知れないしそうかも知れないけれども、小説は読み手の取り方、千差万別の楽しみ方があるので、他人にそれを押し付けなければ、それでいいのではないかとも思うのですけれども。

 今回も身構えて読んでいたのですけれども、セリフ回しの感覚や世界観が、今までの飛作品に比べると、なんというかカジュアルな気配を感じましてね。第二部以降はもう完全にリラックスしていましてね、読み手の自分が。

 もちろん物語は一つの世界の破滅への行きつくので、悲惨と言えば悲惨なのですが、しかし見方によればとっくに失われた世界が夢のような状態で保存されており、それが解放される物語だったのではないか、と自分自身は感じたりしております。それに他の人々の野心や欲望が絡み合い、更に解明されていない設定とかも多々あり、どう見ても続編を期待してしまう作品だよなぁ、と思うのですが、飛さんは作品が完成するまでに相当な時間を要する方で(零號琴の単行本が発売されるまで、連載終了から少なくとも五年は必要としていた)、このお話もそうですが、自分としては『グラン・ヴァカンス』から開始された『廃園の天使』シリーズの方の完結を心待ちにしている状態でして、構想によると長編が二作品待っているとのこと。今現在二作目長編が連載されている筈。そしてだいたい著作者の構想は膨らむ傾向はあっても縮小傾向にはならず、飛さんの年齢を考えると今までのようなスパンで書いていらっしゃると『未完』なんて事になりかねないなーっと思ってしまいます。

 なので『零號琴』続編は時間があれば、で結構なので、『廃園の天使』を完結されますよう、祈るばかりです。はい。

 話がそれてしまいました。『零號琴』は帯の煽り文句に惑わされずに、カジュアルに楽しみましょう。それがアタクシが感じた事です。はい。