pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

今朝も痛痒い?

 昨日はラヂヲ体操をしても腕を上げられなかったのですけれども、今日は大丈夫でした。でもまだ痛痒いけど。

 さて読み終わりました。

 

 

 密林の商品紹介で文庫版だけで、光文社やKADOKAWAもありましたが、図書館で借りたのが小学館版だったので。

 現在解明された地球構造上では、まずありえない『日本沈没』。著者も解っていたようです。現実の日本列島は海洋プレートが日本海溝に沈み込み、それによってせり上げられる大陸側のプレートに載っているので、隆起する事はあっても沈降する事は、まずない、はず。でも絶対なんて事はないので、何億年、何千万年、何百万年に一度は起こるかも知れない災害が、もし1970年代に起こったら、という小説です。

 まぁ、そうなるよねー。ご都合主義で楽観的な最後になる事もなく、日本列島に住む人々が大半助かるとか、という事もない。当時の環境において起こりうるだろう事を透徹に書いているので、今なお人気があるのですかね。昨年はアニメ、今年はドラマ化されるらしいですし。でも映像化されたものが低評価というのも仕方ないかも。この無常観はエンターテイメントには難しい気がする。小説もエンターテイメントだけど、受けを狙うところが違う気がするので。

 自分的には権力者の中に、日本を蔭から支えてきたフィクサーのような高齢の老人を登場させているところが、あ、戦前の教育、イメージを引きずっているなぁ、と。明治時代から、政界を切り盛りし天皇を補佐し、関係省庁の調整を行っていた元老たちのイメージがどこかに残っているのでしょう。公にはされていない『何か』があり、それに期待するようなところがある。現に公にできない段階で研究させていたのは、そういうフィクサーの超法規的な財力と影響力でした。

 ちょろりと前に、こちらはエンターテイメント的に成功した映画『シン・ゴジラ』も災害パニック、それに対する対処作品って感じでしたけど、こちらにはそんな超法規的な存在は描かれていません。マニュアル通りに動きながら次第に政権主催者としての責任に目覚めていく首相や閣僚たち、関係省庁を調整し、実際の組織を立ち上げていく中堅政治家、(非主流派だけど)知識と実行力のある官僚、現場の公的機関の人々、全てが公に存在している組織の人々であり、そうか、監督の庵野さんが「今までにないものを」と求めると、実際に存在する組織の人々が対応するドラマになるのだなぁ、と思いました。

 考えてみれば影のフィクサーという存在もご都合主義であり、ご都合主義に頼った結果、日本は一度破滅している事を考えれば、今までになかった事を求めると意外に現実的にならざるを得ないのかも知れませんね。

 第二部が谷甲州さんとの共著で存在しますけれども、読むかどうかは考え中です。うーむ・・・