pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

野菜餃子

 肉肉しい餃子はひき肉と韮、あとはすりおろした生姜やらニンニクやら、中華調味料やらを混ぜて餡をつくればいいと理解しましたが、野菜メインの餡をこさえようとすると、結構難しいですね。食べ応えという点で。土曜日に椎茸と玉葱をチョッパーで粉砕して、少量のひき肉、韮と混ぜてみたのですが、粉砕し過ぎで夢のようなくちどけの餃子になってしまい、食べ応えという点においては不満な結果に。包丁でみじん切りの方が良かったかな。これなら市販の餃子の方が楽ちん・・・まぁまた考えます。

 金曜の晩と土曜日の晩に飲んだくれたので、土曜日曜ともに日中も夢うつつの狭間を彷徨っていました。警戒宣言が解除されたけれども、特に外出して飲むという予定もなかったので。外出するついでぢゃないと一人外食で飲む事は、あんまりしませんし、人様に誘われない限り外食の為だけに出かける事もしないので、つまり個人的に解除もなんも関係ない週末。なので読んだものの感想を書きます。

 

 その著作物の分量、考察力、分析力からして現代の武田家研究の第一人者と言っても過言ではない著者作ですが、2006年に発表されたものとは知りませんでした。たぶん自分がこの方の著作で最初に読んだのは『天正壬午の乱』と著者が命名した本能寺の変後に起きた旧武田領争奪戦に関する本ぢゃなかったかな。

 武田家の人物の評論として勝頼のものと言ってもいい『武田氏滅亡』と信玄父の『武田信虎』を読んでいますが、てっきり信玄はまだかと思っていました。たぶん一番早く書いていらしたのですね。まぁそっか。武田信玄は武田家へ興味を持つ入口みたいなもんだし。

 この本で解ったこと。清和源氏新羅義光流意識が強く、その為、源義家、義光兄弟の故事にならって義家の子孫である足利将軍家を輔弼する事を政治的大義名分にしていること。その為に父親が左京大夫の官職を得、自分もそれを持っているのに、室町幕府体制で最も将軍家に近侍した、つまり武田本家格の若狭武田家が大膳大夫の官職を持っていたからって格下の大膳大夫をわざわざ名乗り、武田の本家はうちだとアピールしている。

 天台宗に帰依して出家しているので、本気で焼き討ちにあった比叡山再興を考えていたみたい。

 領地支配は、判明した範囲では差出検地、つまり自己申告制で、偽りの申告をすると処罰したり、また軍役の多寡も飢饉や不作やら、戦役が重なった場合は要相談で軽くした場合があったこと。しかし上級武士や下層には具役が軽く、中間層にそのしわ寄せがきていたらしいこと。

 基本は集落をまとめる本家に軍役を課したけれども、例えば敗戦で人的資源が払拭した場合は、経済的に富裕なもの、武勇に優れたものなどを他の課役を免除する事で軍役を課して員数確保に努めた、と。

 他にも武田信玄は目標を定めると、取れる限りの策謀は全て実行して、用意周到に事を進めるタイプなのですが、そこは人間で万全とは言えず、対今川家の方針転換で嫡男義信に逆らわれ自害に追い込む形になったり、北条家には「仲直りを仲介したのに面子を潰しやがって!!」と対決する事になるし、信長と家康が対等な同盟関係であると理解できずに信長へ不信感を抱いたりしています。

 あと、面白いなの思ったのは、信玄が信長と敵対し、それと連動して足利義昭が信長と敵対した事で、信長は初めて室町幕府体制ではない、新たな天下秩序、天下静謐を大義名分として戦い始めた。つまり間接的に、そして結果的に信玄の好意が室町幕府体制の終焉の引き金になったとも言える、と言う解釈で、確かにそうだよねーっと。

 読んでおいて良かったですよ、はい。