どちらかというと漫画を担当した方の画力に惹かれて購入していた口なので、物語的にはまぁ、そんなには、なんですが。
一応これで明治~昭和の時代の民俗学者を狂言者に立てたシリーズは完結らしいです。物語的なものよりも、どこか、イっちゃっている登場人物たちが、あの狂乱時代(脳筋なガキどもの時代と言っても過言ではないと、最近思うようになりました)を代表しているような気がして、それらを魅力的かつアブナク表現している森さんの画力がいいなぁ、と思い買い続けたシリーズでしたね。昨夜自宅で最初の本が1997年に発刊している事を確認して、そうか、二十四年目の完結なんだなぁ、と。
どうも当時の風潮を嫌いながらも惹かれている自分を見つけてしまうのですよ。その時代で生きたいかと言われれば、絶対にイヤなんですが、その時代の風俗とか、ものの考え方とか、何故か知りたいとか思うのですよね。たぶん第二次大戦の破滅を醸成したのは、日露戦争からこっちの時代精神みたいなものが影響しているのだろうと感じる事が多くて、足元を見ない狂乱が満ちている気がしているのです。
バブルの時も足元を見ていない大人が多かったし、それで破綻した訳だし。
まぁお疲れ様、って事で。
子供がモロモロ泣く姿を可愛く描くものだなぁ、と何を感心しているのだか、とか思ったりしたり。物語中の時の流れが現実よりも緩慢なので、振り返れば、第一世代の登場人物よりも自分が年上になっている・・・というのは良くある事ですわいな。その子供たちが活躍するのですけれども、まだまだ謎がなぞなぞなままなので、次巻以降を期待していくしかないです。敵役のアメリカの研究機関は手が広い割には現場の人間教育と言うか、選別と言うのか、そういうところが甘く感じたりしたり。人手不足なのか、作者がわざと穴をこさえているのか、どうなんでしょうね。
そういえば木蓮と紫苑のカップルは子供作る事なく死亡していて、その転生である地球人の二人には、二人の子供が誕生しており、その子供たちは別の宇宙人の転生、しかも木蓮、紫苑よりも上の世代の転生な訳でして、ん?一作目の設定ギミック否定なのではないだろうか・・・だって紫苑は他の仲間より九年遅く亡くなったから、転生した今生の姿は九歳年下なんでしょう?・・・子供世代が彼らよりも年上世代って・・・え?
まぁいいか、楽しめれば問題ないんだし(字数埋めで思いついた話だしナ