pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

本日はイレギュラー

 休日は日記を書かない事にしています。ネタがないか、あるいは一日中出ずっぱりで時間がないか、なので。ただ今日は出かける時間まで一時間ほど余裕があること、返却期日の関係で、明日には図書館に返してしまいたい本を読み終えてしまったので、それを書きたかったので、本日はイレギュラーという事です。別にいつもと変わらないです。ただ自分が休日に日記を書いているだけ、というそんだけー。

 その読み終わった本はこちら。

 

 先日購入した日独伊三国同盟の本と同時代だなぁ。読んでみよう。と借りた本です。三国同盟の方は昨日読み始めました。また日記にあげますが、初っ端から不信とか無責任とか、まぁネガティヴな言葉が飛び交っていますよ。まぁ破滅的な結果に終わった同盟の話ですからね。

 この本はそんな政治上のお話が進行していた日本の社会がどんな様子であったのか、そんな事をスケッチしています。とても読みやすい本です。そして一言でいうと、第一次世界大戦の軍需景気が終わって、不景気、生活苦、格差拡大が広がり、日本人が「皆で幸せになろうよ」と言っていた時代です。大卒者ですら就職難。非正規雇用が増え、共働きどころか、子供たちすら働いても生活が楽にならない・・・ん?どこかで聞いたような話だな・・・

 そんな中、デパートは現在の通販サイトみたく売上を伸ばしています。あ、今日の百均みたいな十銭均一売り場とかもあって、ああ、日の下に新しきことはないのだなぁ、と思ったりしたり。

 第一次大戦に独り勝ちしたみたいなアメリカの物質文明にあこがれ、余裕のある人々はアメリカ的な生活をしようとしており、第二次大戦で突然「鬼畜米英」と言われて戸惑う人も多かったようです。

 昭和というとモガ・モボが代名詞みたいですが、本当の意味でのモダンガールは少ないようです。まぁ高学歴で世の中に発言していき、颯爽と男社会を切り崩そうとする女性は現代日本でも比較的少数派です(政治家における女性比率は先進国最低ですから)。百年前の日本なら猶更って感じ。意外なのはモダンボーイも更に少ないという事で、つまりデキるイケメンというのは、いつの世も少数派という事で。

 意外に思ったのは歴史的に優柔不断で「何言っているのかわからねー」としか思えない近衛文麿が当時絶大な人気を誇ったこと。五摂家筆頭という日本の貴種では皇族に次ぐ地位を持つ彼が、登場当初からカリスマを持っていた事は当たり前なのですが、育ちの良さが仇となって押しに弱く、重要な局面で自身を出せず結果軍部のいいなりになっているのですが、それでも最後まで国民の『希望の星』だったりするっていうのがねー。不思議なもんですな。アレですかね。安〇〇三スキーな人たちもこんな気持ちなんですかね。

 あと、やっぱり東条英機憲兵司令長官が適役な男ですね。そして恣意に任せて人事を動かすから、適任者ではなく、気に入らない人間を最前線に飛ばすという戦争指導者としてはありえない事をやっているし。

 格差是正への欲求が日本を戦争に駆り立てた原因の一つであるように感じました。戦争になれば皆、等しく重荷を背負わざるを得ず、『平等』という幻想を生む。東条英機が当初支持されたのも、緒戦の勝利もさる事ながら、ハネつきで勝敗を争う事を「欧米的で日本的ではない」と批判する感性、つまり平等、格差是正を国民に押し付けたからだと言います。

 なーんかね、現代日本にもさ、そういう影がちらほら見えるぢゃないですか。当時の日本も平和は希求していた筈なのに、結局戦争の泥沼に突っ込んでいったぢゃないですか。破滅というのは何時も身近にいて、そして気が緩んだ瞬間に襲い掛かってくるもの。そんな気もしないではありませんでした。