pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

面白かった!!

 土曜日に参加したボドゲ会も楽しかったですよ。ボドケこさえる人々の発想とか、ゲームコンセプトもいいし、一緒に遊んでいただいた方々も楽しかったし。降雪で交通機関への心配から早めに切れ上げたのは、少し残念でしたが、年越して初めて行きつけのダイニングバーへ行って赤葡萄酒一本空けましたしナ。

 でも題名は、先週この本を一気に読み終えて、凄く面白かったからです。

 

 「ブラックホールとか中性子星とか判らん」って作中の人物が言っているのをみて、そっか、アインシュタイン相対性理論って広まったのは戦後の事だったけな、と思ったりしたり。

 第二次大戦前夜に飛来した地球外知生体とのコンタクトの顛末が終わりました。今までの四巻までのエピソードが、この五巻で一気に炸裂したような印象で大団円へと向かいます。百年間かけた物語は、この為だったのかー・・・って、一瞬呆れましたが、そっかワープ航法みたいなチート技術を使わずに宇宙を行き来する知生体としては、百年なんて大した時間ぢゃない。というか、百年が現在の人間にとって十年ぐらいの感覚になっていないと、光速を突破できないのに宇宙に広がっていくことは不可能ですよねー。不老不死技術なんて、過酷な宇宙空間で生きるためには必須になってしまいますよ。

 林譲治さんの物語はSF作品ばかり読んでいる自分ですが、一貫したテーマはコミュニケートではないかと思ったりします。相互理解というよりも、相互に他人と自分は異なる存在である事を理解し、その上で合意できるところを見出す。そういう物語なんぢゃないかなーっと。自分が気に入っているのはそういうところで、意志や従来のシステムを無説明に押し付けてくる権威主義とかが一番好きになれない人間なので、そういうキャラクターが敗退していく物語とか、まぁ好きなんですよ。ただこの小説はそれだけぢゃないところがあって、世論に追い詰められ、家族に離縁されていく人々とかも、理性的に正しい事が、世間的に受け入れられないという事もあるって感じで切ないですよね。自らの価値観が破壊されて苛立ち、その絶望を乗り越えていく人もいれば、自ら命を絶つ人もいて。

 この物語が群像劇であり、地球外知生体も決して全能ではなく、地球人のしでかした事に失神(みたいな状態)になるというシーンも微笑ましかったりします。最近自分はこういう群像的な物語が好きなんですねー。主人公が何もかもやってしまう物語も単純爽快でいい時もあるけれど。

 Twitterを見ていると著者は次の作品の準備をなさっているようです。期待して待ちたいです。