pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

てっきり遺作かと

 土曜日の晩に見たこれが、チャドウィック・ボーズマンの遺作かと思っていたのですが、そうではなかったようです。

 

 って、知ったような事を書いていますけど、彼の事は『ブラック・パンサー』でしか知らないのですが。いや、亡くなった後でTwitterの話題で、織田信長の晩年、三年ほどそば近く仕えて武士に取り立てられた弥助というアフリカ系と思われる人がいて、その人物の物語を映画化したいような事を、チャドウィックが言っていたー、とか何とか流れてきて、ちょっと気にはしていました。まぁ白紙になっているだろうけど。

 この映画は『ブラック・パンサー』みたいなストレートなヒーローものではないです。ある意味、NYいや、全世界の警察組織が直面している問題に触れているかも知れない作品です。つまり、維新の会的な政治方針の人々が、それに勤しむと現場の人々はどんな事をしてしまう事になるのか、ってな感じ。いやごく一部ですよ、こんな事を考える人はね。皆がみんなやったら、恐ろしい事になるけど。

 その意味で最初の、主人公が幼いころに警官の父親が犯罪者によって殉職させられて、その葬儀のシーンから始まるっていうのは、ミスリードのにおいがするかなぁ。

 あと強盗犯の手際がやたら良くて、筋が通っていて、事前情報と実際の目標の情報に齟齬があって、その事に不信感を抱いて行動するところなんて、共感してしまう。一体誰が物語の中の『敵』なのか。ただ察しがいいと強盗たちの銃撃シーンで、あ、とか思ってしまうのですが。自分は「おかしいな」と思いましたが、明らかに「こいつらが『敵』なんぢゃ・・・」と思ったのは中盤以降、強盗実行犯に情報をもたらした人物が殺されてしまうシーンですかね。

 社会派ミステリーアクションとして楽しめる、毒が仕込まれた、自分好みの作品でした。製作にも名を連ねているチャドウィック・ボーズマン・・・この人が弥助を演じたらどんな感じになっただろうっと思うと、その可能性が惜しまれます。

 しかし39歳から癌の闘病生活していて、このアクション?俳優ってつくづく過酷な稼業だなぁ。

 そういえば昨日、民間企業が宇宙ステーションを運営する話題を取り上げた動画見ていた時、宇宙で映画撮影する話題があって、ロシアはアメリカに先を越される前にスケジュールに割り込ませて監督兼カメラマンと俳優を国際宇宙ステーションにあげたとか。宇宙飛行士の交代スケジュールに割り込ませたので、二人ほど超過宇宙滞在になったとか。アメリカなのかイギリスなのかは、いったんトム・クルーズで宇宙ステーションでの撮影を企画したらしいけれども、どうも民間ステーションに撮影用のモジュールをつけてやる事になって、延期になったとか。

 ロシアは、ロシア的だなぁって、少し呆れたけれど、素人のカメラマンと俳優だけでなく宇宙飛行士たちにまで負担がかかり(しかも唯一反対して宇宙飛行士統括の幹部を左遷させ、現場の抗議で復帰させたとか、いかにもアレな感じ。まぁロシア的というよりも現場の声を無視した巨大組織にありがちな展開というべきか)、危険を冒すというのがねぇ。一つ間違えば宇宙開発もとん挫するのに・・・あ、ロシアは宇宙よりも他にお金を使いたいからいいのかな?

 仕事とあられば宇宙へも(ロシアの人たちは準備期間も不十分だったらしい)行かなきゃならない。エンターテイメント業界は、過酷な世界だなぁ・・・