pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

『過酷な運命』に躊躇していたけれど

 割と『過酷な運命』に抗う人々の話が好きな質なのですが、現世知識が役に立たないJKが異世界で娼婦となって生きていく・・・って、辛すぎない?と思い敬遠していたのです。んが、試し読み漫画が意外に明るいし、wikiを見ると、ん?と思ったので、続編ともども購入して読みました。

 

 

 おがきちかさんの『エビアンワンダー』思い出した・・・って、例をあげるのにマイナーな漫画をあげる奴。でも、やっぱねー。

 娼婦がヒエラルキー的に上位に位置する社会は、自分が知る限りあんまりないです。創作物でもない。ドラクエ2までぐらいの、女冒険者が登場しない、許されない世界に転生してしまった、知っている事と言えば明るい話術ぐらいで、しかしそれなりに過酷なJC時代・・・一歩間違えば裏街道転落の間際にいたJKとしては、生きていく術はエロい事を商売にする他なく、女性の発言権が著しく低い社会で女一人生きていくのは過酷にならざるを得ない。まぁ『く〇』のような世界ですよ。現代で分かりやすく耐えるなら、ロシアがウクライナにやっている事が横行している世界です。1970年代以前の価値観・・・って自分は思う。男が「女性が強くなった」とため息をつくようになると、だんだんマシな感じになっていく、みたいな。

 過酷は過酷でも彼女もチート技を持っていて、しかし女は冒険に出れないって社会では宝の持ち腐れで、まぁ水商売でも役に立つスキルを時々使うぐらい。ただね、男としてはマシかな、って思っていた辺境警備の兵士たちが、中央でやらかして左遷された問題児隊長に従うようになってからは、どんどん娼婦をもの扱いし始めて、友達娼婦を肉便〇扱いしてすり潰すとキレてきまして、身代わりにその肉便〇役を引き受けたけど(チート技のおかげでタフになっていたので死なずにすんだけど)、苦行を乗り越えてみたら友人は瀕死。シスターの治癒魔法も空しく亡くなってしまうと・・・はい、ここから『エビアンワンダー』のフレデリカ状態です(だからマイナーな例えをすんなよ

 でも主人公のハルは、どこまでも女なんですよー。いい意味でね。問題の解決、というか物語のラストがねー、これは女性ですよって感じ。

 そういえば大人の女性向けweb小説として公開されていたのですよねー。なるほどねー。いや、爽快でしたね。

 ある意味『ロシア政府的価値観』へのアンチテーゼに満ちているよな、って思いました。いや大陸国家が内心抱えている野心に対するアンチテーゼかしら。まぁ深く考えずに楽しめばいいのです。エロいし。