pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

もうちょっとだった。

 『マーダーボット・ダイアリー』シリーズ最新刊『逃亡テレメトリー』は、あとちょっとで読了というところで発熱を感じ就寝しました。いやね、このシリーズ、弊機のセリフとモノローグにあたる地の文を音読したくてたまらないのですよ。人間からすれば身も蓋もない発言とか、人間は安全保障の何たるかを知らな過ぎて無防備だ、とか、うんざりしているけど仕方ないから助けるとか、でも感謝されると気分がいいとか、ぶぅぶう言いながら絶対人命優先とか、暇さえあれば映像作品に耽溺したいとか、まぁ愛すべきキャラクターですからねぇ。

 今も昨日の三回目ワクチンの影響でだるいです。今日は配達業務は日延べ日延べ!!って言っていたら、一件銀行窓口に行かなきゃならんものがあた。ぎぁす。気力で向かうしかあるまい。

 さて読み終えたもの。

 

 原田マハって作家さんのお名前は、時々耳にしたので好奇心で借りてみました。美術系の話という事なので、今まで読んだことないジャンルかな、と。

 この話は、盗難やら心無い投機家とか、裏稼業の人たちが不正規な方法で入手した美術品を、あるべき人、場所へと戻す集団の話。皆セレブ。とはいえ美術品の価値は知識やら美的感覚やらと上に財力もないと判らんよなぁ、と思ったりもする。ほら、日常的にそういう作品に接して鑑賞する事をしていないと、良し悪しなんか判らないし、ましてやそれに投資するなんて・・・

 んで敵役として非情な回収家みたいな集団も登場するのですが・・・ええっと、読んでいてずーっと安心していられます。つまり、敵役が優位に立つシーンや、失策に気づいて取り戻そうというシーンがない。その意味では平坦なヨカッタヨカッタな物語。だから心の平安が欲しい人は読むべきだけれども、エンターテイメントとしては、もう一山が欲しいとか思ってしまいました。他の作品は違うのかな?

 でも大変読みやすいし、楽しいのですよ。現代美術の架空の逸品が『お宝』なんですけれど、こんな風に解説してもらうと「ああ、そんなもんなのかなぁ」とか思うかな。十数年前にあいちトリエンナーレ最初の開催の時、ちょろりと作家さんたちの話を聞いた事があるのですが、情熱と発想の問題だよな、これ。とか思いましたね。もちろん技術を持っている事は大前提であるし、表現したい事を狙ってやる事の難しさは、学校時代の図画工作やら美術の時間を思い出せば、想像がつきます。現代美術ってそのあたりも狙ってどうにかできる分野があるのかね?とか思ったりしたり。

 次に図書館に行くときは、別の話を借りてみましょう。