pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

明日は日記、ないです。

 明日、明後日と町内会の旅行に出かけるので、日記書ける環境にはないので、今週はこれが最後です。また来週お会いしましょう。またね!!

 というには早いですが、読み終わったものは再読本しかない・・・と思う。

 

 『鎌倉殿の13人』でも平氏は壇ノ浦を迎えてしまいましたので、思い返すように借りてみました。たぶん再読・・・たぶん。

 皆さん解っていると思いますけれども『鎌倉殿の13人』は創作物です。ストーリーラインで違和感がない限り、別にどのように料理されようと、見たり聞いたりした人が面白かったり感動したりすれば正義です。歴史研究はそれとは違うので。はい。

 この本は、源氏中心に語られがちな源平争乱を平氏視点でまとめられた本で、平氏の強みや弱点、何が敗北につながったのかを検討しています。木曽義仲によって都落ちするまでの平氏は体制側であり、源氏諸勢力の反乱を体制機構を利用して制圧しようと試みました。ところが、それは強制的な動員であり、利害が一致、あるいは摺りあわされている平氏家人以外の武士たちにとってはどーでもいいこと。諸源氏は逆に在地の利害視点で動員しており、戦に対するモチベーションは高かったこと。更に平氏の拠点である西国は当時の日本が温暖になると旱魃に見舞われて不作となり、逆に東日本は多雨となって豊作になる傾向があって、富士川合戦前後はまさにその傾向。補給に苦しんだ面があります。というか現地調達が基本なので、蝗みたいに移動してくるから遠征軍はどちらの陣営も在地に嫌われる。そして勝てない軍勢も嫌われる。

 平氏の敗因は、総大将に公家化してしまった、しかも分家筋の人々を登用したこと。軍事指揮能力が未知数か乏しく、また権威の上でも宗家に劣るとなれば統率力に問題が生じる。富士川だけでなく倶利伽羅峠に象徴される北陸での戦いでも、そんな感じ。畿内戦は危機感からか宗家のエースを投入して勝利しているのですが、連戦で疲れた彼らを休ませる為なのか、持てる総力を結集して北陸を制覇した木曽義仲勢と戦うのに平知盛平重衡といったエースではなく分家の公家化した経験の浅い人々を指揮官たちにしてしまうという・・・あ、やっちゃいけない事を全部やってしまったみたいな。

 都落ちした後も、まだ平氏と利害をともにする勢力は存在し、それらを結集して水軍という慣れた戦力を中心に戦うと盛り返していくのですが、一ノ谷合戦での敗北がターニングポイントで沈む船から逃れようとするように支持勢力が零れ落ちていく、みたいな。壇ノ浦の合戦も、義経どうのというよりも、既に内部崩壊していて、戦意が薄い(他の一族は皆脱落している)四国水軍が第2陣を張り、それを除外する事ができずに開戦し、そして裏切られ、戦らしい戦もできず敗北していくという・・・

 平氏一門が三種の神器安徳天皇を道連れに入水していったのは、戦いきれないうちに敗北した無念とか諦念とか、そんな事も重なっていたのかも知れないなぁ、と。

 まぁ平氏の失敗から頼朝はすべての武士を自らの家人にしていく方向に切り替えたとも言えるのかも。実際に鎌倉殿の御家人が全国展開するのは承久の乱以後ですけれども。そういった意味で『鎌倉殿の13人』が承久の乱の勝者である北条義時を主人公にするのは幕府体制の完成という意味で正しいのではないかと思ったりしたり。

 つまり・・・頼朝死後から本当の地獄が始まるんやで(にやり