pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

今朝読み終えました

 新書ですね。

 今週から急激に仕事が暇になりましたが、積み読本もそろそろ残り少なくなってきましたのぉ。図書館から借りた本は軽く読むミステリーなので、感想を書くのもアレな感じ。漫画の新刊が明日明後日発売になりまして、どうせなら明後日買いに行くか、という状況ですから、購入する本は金曜日までないです。自宅にある未読・・・読んでいる最中の本は一冊で、あと一章ぐらいかな。明日書くネタはあるけれども明後日はどーすべかな、という感じ。木曜日に父親が飲みに行くから、その晩に見る映画の感想が書けるかなぁ・・・そんな、今書かなくてもいい見通しを書いて、感想です。

 

 藤原家の秀才政治家。叔母の後ろ盾で権力を掌握。それが失われて孝謙上皇との政争に敗れて処刑。そんな事が簡単に思い浮かびます。数字に強い能吏だったらしく、跡継ぎである兄豊成を排除し、聖武天皇の信認を勝ち取り出世していくのが、頭のいい人の怜悧を感じさせますね。

 唐風好みで律令制度の手直しを施し、その後の続く制度をいくつも残しています。特に『墾田永年私財法』を主導したのは決定的。東大寺大仏や、聖武天皇の遷都迷走を財政的に支えた計算能力とか、天然痘流行により自身の父を始めとする藤原四子を含む高官たちが死亡した為、質量ともに官僚を補う為に教育を重視する施策をしたりしています。頭がいい人にありがちで、自派についてこれない人には冷たい。

 その権力を自派で独占する感じは平家に通じるところがあり、権力の独占は孤立化を生む事になります。利益配分を間違えている、というか、広く浅く権力層の人たちの支持を得る形で浸透すれば、孝謙上皇との対立も勝てたかも知れません。この時代は律令体制の成熟というか、たとえ天皇その人であろうとも手順を踏まなければ命令を下す事ができず、仲麻呂の乱でも(筆者は『孝謙上皇の乱』の方が正しいと述べています)命令を下す鈴印の争奪戦が勝敗を決しました。仲麻呂は政府を完全に掌握していた筈なのに、その命令を下す手続きに必要なアイテム一つを確保する事ができなかった為に反逆者になったという。

 しかし仲麻呂は後世の藤原氏全体に対して多大な恩恵を施す事になります。家伝などの編纂資料で始祖鎌足、祖父不比等が『特別な』功臣であるというイメージを作り出し、天皇は藤原という特別な氏族との婚姻によって即位資格を得る、というイメージを醸し出す事に成功します。彼の属した南家はこの後振るわなくなりますが、平安初期の式家、そして以降の北家、摂関家藤原氏は官界をリードしていく事になります。

 どうも彼と聖武天皇が、それまでの壬申の乱の功臣が特別視されていた傾向を、律令制度を整えたもの、特に藤原氏を特別視する傾向に改めた印象があります。その意味では歴史を作った男と言えますね・・・って、ここまでたどり着くまでに叔父から送られてきた一か月分の伝票処理で四十分ほど仕事がガガガ・・・

 そっか。暇と呟けば仕事が生まれるのだな!!(チガウ

 いや、儲かる仕事が増えて欲しい・・・