pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

ネタがなーい

 何も読み終わっていませんから。いや、読み終わったけど再読本ですし。あ、再読本でもいいですか?そんな事、キニシナイ?

 んぢゃいいよね!!(誰と話しているんだ

 

 たぶん前に読んだ時も書いたと思うけれども、表題よりも毛利氏勃興と滅亡の危機、みたいな内容です。毛利氏視点で西国戦国史を描いているので。

 ここに描かれているのは、戦国期、日本各地で展開された国衆や戦国大名たちの勢力拡張と衰退、滅亡のプロセスですかね。勢力の拡張は基本的に「寄らば大樹」。自分を守ってくれる存在に接近し、従属し、その拡張が続く限り接近され従属された勢力は拡張し、広大な領域を支配する戦国大名になったように見える。しかし実態は国衆の連合体に過ぎず、中核となった領主には絶対指揮権はなく、従属した側も自らの存立に役に立たないと感じれば、躊躇なく別勢力に乗り換えていく。

 毛利氏の発展段階がまさにそうで、大内、尼子両氏の争いの中で次第に領域を拡張し、国衆の中で一つ頭抜けた存在になり、その動向が国衆たちに頼られ始めてから雪だるま的に膨張を開始。そして陶晴賢、つづいて大内義長に勝ち、これを滅亡させた事により、西国の大勢力に成長、そのまま大内氏の権益を継承する為に北九州で大友氏と争い、石見銀山の利権を始め中国地方の覇権をかけて尼子氏と争います。大友氏との争いは一進一退の末、結局撤退せざるを得ませんでした。尼子氏との戦争に勝ち抜く事を優先させた為ですが、その結果はあからさまです。大友氏の支配を厭う勢力以外は毛利氏から離れるし、尼子氏の支配に立ち返ろうとする勢力も一つ一つ潰していく事で自らの下に引き寄せていきます。

 しかしもともとの勢力が、従属者とそこまで圧倒的差がある訳ではない。つまりリソースに余裕がある訳ではないですし、その為に自家を肥大化させる訳にもいかない。戦争をすれば従ってくれた勢力の利益、便宜を図らなくてはならない訳ですから、自分たちだけ利益を集中させれば離反されてしまう。毛利氏が一時は優位に立ちながら織田権力との戦争を戦い抜く事ができなかったのは、この問題を最後まで解決できなかったからで、豊臣政権に従って軍役に対応できる体制を整えてようやく実現できた感じ。

 大友氏の指嗾があったとはいえ、姻戚関係にあった勢力すら、織田方から相次いで離反者が出ていて毛利主力が決戦に出ようというタイミングで謀反を起こそうとし、それを鎮圧したものの、そこで萎縮してしまって宇喜多家や南条家の離反を招きました。

 これに対して織田権力は離反者への対応が早く、秀吉の活躍もありますが、戦況への対応力が違いました。織田権力が毛利氏よりも集中的な権力を持っていたのかどうか、解りませんが対応できるだけのリソースを持っていたのは確かです。

 ただ織田権力にとっても毛利氏の存在は強大で、戦争従事する秀吉と、和睦路線を担当する明智光秀が競うように対応していたといいます。和戦両方で対応できる体制ですね。しかしそれは秀吉と光秀の手柄争いにもなり、結果としては戦況を優位に展開した秀吉路線が採用され、和睦担当の光秀の立場は失われます。これが本能寺の変の動機になったのではないかと。家中での立場が失われ、失脚の危機が目の前にある。そんな時に主人とその後継者が僅かな供のみで京に滞在している。自らの存続を賭けた光秀の瞬時の決断が本能寺の変になったのかな、と。

 そういう本でした。昨日書いた戦国里見氏の状況と規模は違えど毛利氏も似ているよなぁ、と思いましたねー。