pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

久しぶりのコメディ回

 『鎌倉殿の13人』です。義時、「女子は皆きのこ好き」って、それで成功体験はあったかね?八重さんとの経緯を忘れていますね。古井戸のくだりとか、今回は義時登場シーンでコメディ要素多かったですね。

 頼時→泰時の改名って不可解なんですが、頼家の嫉妬混じりな感情に理由を求めたって事ですかね。ドラマ的にはそういう風にすべきかも。頼家も頼時→泰時も困難な状況を改善しようと足掻くけど、泰時の方は後に『徳政令』に発展しそうなやり方だもんな。頼家のはただただ乱暴なだけだし。

 まぁ来週から当分修羅の回が続くんですけれど・・・義時の家庭内悲劇も含めてね。それも含めて確認したかったので、この本を買いました。

 

 記載は頼朝死後なので梶原景時抹殺からなんですけれども、その後の抗争を順序だてて知りたかったので読みました。そういえば武士という存在を893になぞらえて説明している文章、自分はこの方の手になるものが最初に触れた文章だったかなぁ。あれは目から鱗でした。

 おそらく、鎌倉幕府内で北条家が主導権を握っていく理由は、北条時政という個性が関わっているのでしょうね。陽気で交渉上手、上昇志向の塊で野心家。彼が強引な手段で比企家を滅ぼし、畠山を始めとする武蔵の勢力を滅ぼしたり、弱体化させたりしたから鎌倉周辺に北条家が勢力を伸ばし、反感を時政が引き受けてくれたからこそ、父親を引退させた政子、義時姉弟が幕府主導権を握れたとも言えます。

 ただ和田合戦のように和田家を挑発したのは義時だし、その頃までに和田家は南関東で北条家与党と勢力を二分するまでになっていた、という事なのですかね。

 いずれにせよ、この本で確認しながら、今後の『鎌倉殿の13人』を楽しめます。なんてったって、義時死後の伊賀氏の変まで網羅しているんですもの。

 あ、少しまだ余裕があるナ。んぢゃこれも。

 

 前近代のヘンリー八世からチャーチルまでの、毀誉褒貶な英国指導者の列伝ですね。クロムウェルの事、良く知らなかったので外郭が今回理解できたかな?宗教的情熱の暴走って感じで、王に代わる国家元首の理念がなかった時代とは言え、ちょっとこれは長続きしないよね。完全にクロムウェルの個性に負っているし。

 ウィリアム三世が不人気というのは改めて実感。違う方の著作で知って、自分的には真面目にルイ十四世のフランスを向こうに回してゴリアテに対するダビデ王みたいな感じで好きでしたけどね。そういうのは後から解るという内省的人物ですし。

 ジョージ三世はアメリカ独立戦争絡みで知っていましたけれど、ウィリアム三世と似た性格だけれども、苦労して権力を掌握した上記と異なり、与えられた権力をボタンの掛け違いな真面目さで行使して失敗した感じ。

 パーマストンロイド・ジョージは表層的にしか知らなかったので、今回初めてまとめて知りました。どちらもアイルランドウェールズというイギリスとしては辺境出身で、新しい感覚で内政外交に関わり成果を残し、そして自らも時代の流れに抗えず去っていった、という感じ。しかしチャーチルと並んでその銅像が国会議事堂におかれているロイド・ジョージは現代の社会保障システムをつくった先駆けとも言える人で、第一次大戦の総力戦を構築した件も合わせて、現代政治の祖とも言えそうな人物です。

 入門編としていいですね。