pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

こういう感じ

 いちにちずれた入荷でバタバタしましたが、口割れで全部入荷していない・・・もうもうもう!!!!

 そんな感じでひと段落したので日記を書きます。

 

 著者の方が元自衛官芥川賞受賞者なので、ちょろりと気になっていたものですから密林でポチッとしてしまいました。これは受賞作ではありませんが。

 表題の『小隊』を始め、その経験から想像を膨らませた作品三つなので、カテゴリー的には戦争小説になるのでしょうけれども、一番読みづらかったのは表題作ですね。北海道にロシア軍の上陸を許してしまい、とりあえずの、なけなしの戦力で防衛線を張り、その連隊に属する新米小隊長が主人公で、制空権は取られているらしいし、機甲戦力は味方にはない。何より新米だろうがベテランだろうが実戦は皆初めてで、皆ブルっている。

 最初の威力偵察部隊こそ迎撃に成功しますが、それだけで六人死亡。対戦車兵器はゼロ。補充はナシ。夜になってロシア軍の本格的な砲撃、攻撃が開始され、不運にも中隊司令部が砲撃で壊滅してしまい指揮系統が混乱すると、もうダメ。そこにいるのは知人友人を間近で失い、訓練で体に叩きこんだ義務感で動いていたものが崩れ、逃げ惑う敗残兵に成り下がる。避難して放棄されたコンビニで飲食品を略奪するし、高速道路はロシア軍が使用するから、それを避けて逃げるし・・・

 たぶんこれが自衛隊経験者の想像する最悪な展開なんでしょうね。政治は議会審議で空転して具体的な対策が取れない。米軍との連携も上手くいかない・・・攻撃されて主導権を奪われた方はこういう感じであり、専守防衛を詠うならば、ここからどうやって立て直すのか、どう戦線を維持し反撃していくのかが問われるのだなぁ、と。これ今ウクライナで起きている事の、春の時期にまさにウクライナ軍の状況ぢゃない?

 つまり自衛隊しては、このウクライナ軍の戦いこそが戦訓として学ぶべきものではないかと思ったりしたり。日本は面というよりも地形で縦深を取らないとアカン国土だよなぁ、素人目で感じたりしますがね。川とか山岳とか、そして市街地で防衛するという。

 あと、秋になってロシア軍とウクライナ軍は攻守逆転しているように見えます。今ロシア軍の兵士たちは、砲戦で戦友たちが次々に死に、死にたくないと逃げ出す主人公たちみたいな状況になっているのだなぁ、推測します。降参すればいいって言っているもんな、自衛隊員たち。でもロシア軍の、あの虐殺っぷりを知ったら、どー考えただろうなぁ。

 あとの二編は他にも似たような作品を漫画とかで読んだかも。だから早く読めたのかな。そんな感じです。はい。