pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

ガイドブックより本編新刊が先に読めた

 まぁ本編は漫画ですからね。

 

 ガイドブックを並行して読んでいたので、よりこの物語が何故自分が気に入っているのかを理解したような気がします。この作品はファンタジー世界ですけれども、魔王のような世界の敵は存在しません。作者の方がそういう存在を描く事に違和感というか、まぁ好きではないと感じていられて、基本的に対立はディスコミュニケーションを原因にしていると思います。モンスターに対しても、そのマンスターの習性であったり縄張りであったりを人が理解していないから摩擦、対立が起こる。あるいはモンスターの行動様式を知ってそれに対処する・・・まぁ天災扱いですわな。決して絶対的な対立とは表現していない。

 人との対立もそうで、お互いが「この対処法が(考え方が)正しい」と考え、話し合いや妥協に至らない場合に暴力をぶつけあっている感じ。もちろん欲得で動く、感じの悪い、解りやすい悪役は存在しますが、別に世の破滅を考えている訳ではないし、舞台となった王国の過去の不幸の元凶である前王でさえも狂気による精神崩壊(原因は解らないけれども、なんとなーく自己肯定感が乏しくて自分を『王』と見とれられていないと感じ、それを否定しようと無茶なことをしていたように見える。あと奥さんの事を浮気しているって信じ込むとか)で国を破滅へ導こうとしていたし。

 絶対的な『悪』が存在する物語に食傷気味だし、『本当に悪い奴は、多数に利益を与えて黙らせ、自分が最大限の利益を得ている奴』と思っている自分からすると世の破滅を望む奴はただの自暴自棄で首魁にはなりえない『道具』に近い。ランドリオールにはそういう人物がメインにおらず、誰もが自分の中に幸せになる方法を持っていて、それが誰もが幸せになる方法ではないってところがいい、と思ったりしたりしています。

 この最新刊で決着への見通しが立った『ダンジョン編』でも深奥の『ボス』と対立は、やはりお互いの意見、事情を知り、それを踏まえた上での話し合いや妥協への帰結していくようです(なんか商談っぽくなっていくみたいですが)。

 あとガイドブックで知りましたが、著者の方は「とにかくいう事をきけ」みたいな感じの接され方がお嫌いなようで、そういうところも共感できます。自分は家父長的に振る舞う人が好きではないし(祖父がそういう人間で、しかもその行動が理にかなわず感情任せで、失敗すると誤魔化す。そんな老人に子供の頃は見えたので。父親たちの話だと若いころはそうではなかったらしいので経年劣化していったって事ですかね)、ソフトマウントだろうとそういう行動をとってくる人間が好きになれない。では自分がそうではないかというと、気を許せばそういう振る舞いをしている事もあるので、気を付けなければならないと思っているのですが。

 ティーンズの主人公たちもそういう発言、主張をしてくれて法律であろうと大人のいいつけであろうと、理屈に合わないと思えば反抗するし自分の主張をしてくれる。そんなところが自分は気に入っているのだと思います。もちろん主人公たちがいつも正しい訳ぢゃないし誤解して対立している場合もありますし、それを解きほぐしていくエピソードも楽しいです。

 なんかいつもサラッと簡単に感想を書いていたのにガイドブックを読んだら解像度があがったような気がして、長々と書いてしまいましたねー。次巻も楽しみです。

 あ、年に一度のドラマCDも詳述トリックぽくって面白かったです・・・声優さんだから比較的長く青少年役できるけど、DXの鈴村さんもそろそろ大御所的な雰囲気が出てきたもんなぁ。いつまでDXやってくれるかなぁ・・・