pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

あったかいんだか寒いんだか

 たぶん毎年この時期になると同じような事を書いているのですが、今年は特に『暑い』三月である事もあって昼夜の気温差が激しく、風邪っぽいのか花粉症っぽいのか、鼻づまりが続いています。おかげで本を読んでいても、あんまり頭に入らない・・・という言い訳を用意したので、この本の感想おば。

 

 鎌倉時代初期の新田一族の去就から始まって南北朝内乱終結前後ぐらいまでの約二百年ぐらいの、上野国、つまりグンマーの武士たちの動向を記述した本です。なんで読みたいと思ったのかというと、新田や上杉は独立した研究本が存在するけれども、白旗一揆ってあんまり聞いた事ないよな、と感じたので。

 一揆とは同盟とか、連合とか、求心力のある名のある武士の下に結集するというよりも同格の存在がいくつも集まってできる集団、という感じがありまして、だいたい一回の蜂起で解散する傾向が強いです。その意味では信徒か自発的に起こすものと、本願寺法主の呼びかけで起こすものとでは同じ一向一揆でも異なるのかなぁ、と思ったりしたり。

 白旗一揆は結集軸が毎回異なるけれども、白旗を旗印に北武蔵から上野の国人領主が集まって、時に高師直足利尊氏畠山国清などなどの武将たちの求めに応じて戦場に立ちました。しかしこれがねぇ、人によって戦意の高下が激しくて、例えば高師直室町幕府内の発言を高め、観応の擾乱の遠因となった四条畷の戦いでは、死力を尽くして高師直の盾となり、その勝利に貢献するのですけれども、畠山国清南朝攻めの時にはやる気ナッシングで、長引く戦陣に嫌気がさして勝手に帰ってしまうという事態に。

 足利尊氏とは観応の擾乱で、特に上野の武士は守護である直義方の上杉につくものも出て割れましたが、尊氏勝利後は彼が構築した薩た山体制(さった山の字が出なかった)を支える一翼なりました。でも・・・尊氏と義詮って仲悪かったの?初めて知った・・・んで、義詮と鎌倉公方となった弟基氏は協調路線でともに上杉一族を頼りにしていたようなので、尊氏死没後、彼が構築した白旗一揆などが軸なった支配体制は、観応の擾乱で敗北し逼塞していた上杉一族に取って代わられていく、と。

 だいたいそんな流れですが、基本的に規模の小さな武士たちが多く、誰それがどこそこの土地を支配していた、という基本的なところから実在していた有無を確認する作業から始まるので、ダイナミックな物語にはなりにくく、頭に入りにくいってところはあります。読んでいる最中に何度も意識を失ったのは、春眠、黄昏を覚えずというやつで(そんな事は誰も言わない)アレですが、読了にやや苦戦しました。たぶん、もう一度何処かで再読しないといけませんね。まぁ購入した本だからいつでも、その気になれば読めますが(問題は再読する気になるかどうか、なんよ