pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

『ど家』はファンタジー

 最新の研究結果を反映させつつ、ファンタジー設定をぶっこんできて『どうする家康』世界を構築している事を、はっきり見せつけられたのが今回のお話でしたねー。『武田スパルタ村』とか『嫡男勝頼』とか、もう史実がー、とか言う人は見なければええよなぁ、という感じ。これは歴史を題材にしたエンターテイメントなのであって『史実』をなぞる物語ではないし、そもそも『史実』という言葉自体が最近胡散臭いというか、あり得ない言葉ではないかと疑いつつある昨今。

 結局のところ記録や記憶は、それを残した人々の主観に基づいて取捨選択されたものであり、実際に起こった事件を忠実に写実している訳ではないので、どうしたって一面的なものにならざるを得ない。そういった一次資料をかき集めて比較検討し、実際に起こったらしい事を再構築するのが歴史学だと理解し始めたので、説なんていくらで修正される可能性があるし、また合理的で整合性がとれた説が提示されれば修正されなければならない。だから『史実』という言葉で金科玉条として信じたり守ったりするものではないですからねー。

 しかし来週『三方ヶ原の戦い』ですか。再来週あたりで信玄が死に、五月末には長篠、という事は六月中には瀬名&信康グッバイって見通しになりそう・・・有村架純さんの演じる瀬名・・・可愛いからどんな最期を迎えるのかと思うと・・・ドキドキしちゃいますねぇ(非道

 んで読み終わったもの。

 

 ここまで話数を重ねると、記憶語りしている女性たちの話にもパターンというものが存在するのに気が付きます。戦場で結ばれても戦争が終わると離れていく男たち。戦場で男に負けるものかと奮闘する人。女性ならではの事情で苦労する人。戦争が終わった後、不当に非難を浴びる人。

 独ソ戦の主要な戦場は西部ソ連邦でありウクライナも激戦地でした。だからウクライナの人々のロシアに対する感情が一体どんな過去に立脚しているのか、それの一部を理解する一助にもなります。そしてこれは決して過去の出来事ではなく、今現在もウクライナだけでなく戦場となった土地で同じように繰り返されている出来事なのだと弁えなければならないと思います。

 幸運な事に日本はそういう出来事から七十年以上遠ざかっていましたけれども、でも状況と判断によっては、何時そういう環境になってもおかしくない世界なのだと改めて認識すべきなのでしょうね。