pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

読み始めたばかりです

 最後の積み読となった『修道女フィデルマ』シリーズの『消えた修道士』を読み始めましたが、相変わらずホットスタートで不愉快な妨害者が登場し、序盤は苛立ちでスムーズに読み進められないというやつ。この傲慢不遜な敵対者の顎をたたき割って黙らせたいって衝動に何度もかられる・・・この不愉快な状況を乗り越えないと読み進むのが楽しくないというのが、このシリーズの難点であり、最終的に敵対者が敗北したり、鼻をへし折られるさまを見せるのが、このシリーズが売れている理由なんでしょうけれども。それを楽しみに読み続けるしかないです。

 もう一つ、職場で(あ)読んでいるのは『火狩りの王』なんですが、今シリーズ最終巻の四巻目に入りました。押井守さんがアニメの脚本を担当した理由が解る気がする。『スカイ・クロラ』の時に生きる、とか、生きのびる、とかをメインテーマとして扱ったみたいな事をおっしゃっていたような気がするので(個人的に自分は『スカイ・クロラ』は繰り返される物語ではないかと思いましたがネ)、たぶん同じテーマですね。児童文学扱いなんですか、この作品。結構絶望的で希望のある展開が見えませんけれども。あと主人公たちは物語の中心にいる筈なのに(当然だよね)、騒動の周辺にいていまいち物語がこの子たちを軸に回っているように見えない。

 かたや非力な十歳前後の少女で、かたや荒事苦手な知的少年なので、活劇シーンは大人たちや狩り犬たちが担うし、世界の秩序を司っている神族と『蜘蛛』の抗争も良く解らない。というか、どちらの考え方にも納得というか感情移入というか、そういう事ができない。そもそも主人公たちが何をするのか、何がしたいのかもまだ判らないし、つまり感情移入できない。

 判らないと言えば主人公たちのパトロンともいうべき燠火家の一家についても判らない。娘の綺羅の心情は理解できるけれども、父親の油百七の、娘や家族への情愛よりも神族への復讐が優先される(というか家族愛を捨てているみたい)な行動、母親火華の娘に対する非人道とも言える行為と、揺り返すように見せる情愛が理解できない。こんな薬物に依存する不安定な女性にどうしてなってしまったのかの理由が見えてこない。

 最後まで読めば分かるのかなぁ。事後の話も含む短編集を先に読みましたが、騒動の結果は解っても、結末にいたる事情は分からなかったし・・・その点、上手い書き手さんです、はい。

 まぁ一冊読み終えれば全て解るのでしょう。たぶん。