pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

積み読が増えてる

 思い付きで新書を購入しているせいです。たぶん今夜から新書をやっつけにかかります(やっつけるってなんだ?

 その前にやっつけたもの。

 

 気が付いたらポチッとなしていた本です。たぶん表紙の地図にやられたのでしょう。地図スキーだから。だいたい知っている事が多かったけど、中世においてスコットランド征服戦を経験したイングランド軍が、当時としては抜きん出て洗練された戦術を身に着けていたというのは初めて知りました。まぁ指揮官に人を得なければ勝利を得ないのは当たり前なんですが(だからエドワード一世はスコットランドを制圧したけど、息子のエドワード二世はアカンかったのでスコットランドは王国として復活している)。

 その軍事力を目一杯活用したのがエドワード三世で英仏百年戦争において圧倒的な戦果を得る事になります。ま、略奪行で悪名と反感を高めて最終的にフランスから勢力が駆逐される遠因を作ったとも言えなくもないけど。

 そのイングランド軍に対抗して洗練していったフランス軍が最終的にイングランド勢力を駆逐した後、対外戦争とかしていくのですけど、その戦場となったイタリアはイタリアで都市国家の群雄割拠状態で、その土地で洗練化された戦争文化があったり、古くから傭兵を輩出し、またハプスブルグ家からの独立戦争で活躍したスイス兵が勇名を馳せたり、そのスイス兵を参考にハプスブルグ家のマクシミリアン一世に育成されたランクツネヒトとか、だいたいそのあたりまでですかね。三十年戦争は近世扱いになっている。

 一番ありがたいのは著名な合戦の絵図がついている事で、名前だけしっている合戦がどういう展開で勝敗が決したのかが解って面白かったです。でも武士=侍みたいな文脈で書いているところは、もにょった。そろそろ戦う人=武士、高貴な人に仕える人=侍、みたいに語義をはっきりさせた方がいいと思いまする。確かに江戸時代までに高貴な人が公家よりも大名、旗本を意味するようになり、彼らに仕えるのは武士なので武士=侍というケースが多くなったけれども、本来、『侍』の元になった動詞『さぶらう』は高貴な人に仕える事を意味する言葉で江戸時代にもパートタイム官人みたいな(普段は町民、農民だけど朝廷儀礼に参加する時だけ官人になる)人はいたので、そういう人も侍と言えるのですよねぇ。

 事のついでにもう一冊。

 

 ええっと、戦争が始まりまして自分が読みたかった、戦争をする為の苦労とか、計画通りにいかない不具合とか、そういうのが描かれ始めました。ああヨカッタ。オルクセン王国にまつわることどもが理想的に描かれすぎていて、サブイボがたっていたから。不条理が描かれ始めて安心するってなんだ?

 たぶん題名からしてネタバレで、予定調和の物語をサプライズなしで淡々と読んでいくのが、退屈してしまうという事なんだろうと思います。だから戦争中の「どうしてこうなった?!」的な展開を期待しないと読み進められない。というか流し読みをするだけで終わってしまうって事なんですかね。

 とはいえ、相手国は優秀な海軍をほぼ失ってしまっており、陸軍も初動が遅く体制が整わない状況。現場は善戦するも戦争指導がアレだから有効な反撃はできなさそう。予定調和でオルクセン王国が勝利するけど、それが血みどろの結果って感じで描かれるのを期待するしかないですかねぇ。はい。