pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

こういう構成は珍しいかしら

 人狼?謎解きガンダムですね。

 

 一巻が事件編とすれば二巻は謎解き編になる訳ですが、疑わしきは吊るされる人狼ゲームっぽい物語。しかし真犯人ではなかった。人狼ゲーですからナ。そして巻末あたりに今回の殺人の真犯人の主観が出てきて、犯人側からの視点で事件の真相が語られているという。部分的に『アクロイド殺し』の手法、なんですかね。まぁ真犯人が三下っぽい復讐者みたいに見えるので、彼から復讐される側の方が上手なのかも知れません。

 それに今回のガンダム・・・MkⅤの発展型?らしいのですがパイロットが気絶した後に強敵撃退ってナニコレ?NT研がなくなったとかどうとか言っているし、もう一機ガンダムがあるとか言っているし、そしてアクシズにその情報を流しているエゥーゴのエージェントが怪しすぎる。仮面かぶって偽名名乗って、ほんとにエゥーゴか?シロッコ系のティターンズのエージェントって言われても納得してしまうな。

 それに、今回の殺人の真犯人・・・どうしても三下感が強くて、こいつ足元すくわれて途中でグッバイするんぢゃね?とか疑っているのですが、彼がこんなことをしでかした理由、『復讐』の理由ですが、それが気になるところですね。一巻と二巻の発売間隔が比較的短くて、掲載誌で五月号に載っていたものまで二巻に収録されていたという事は、最新話も入っちゃっている・・・三巻が出るのは遥か遠い事になりそうですが、楽しみに待つとしましょう。

 どーなるんですかねぇ。

 

 外交漫画です。友好国同士でもこんなに齟齬が生じればキャットファイトのごときやりとりをする訳で、他にも新しい大使の令嬢に誤解された為に、腹黒で上司さえ顎で使う女士官と見られてしまった主人公。フォローのつもりも裏目に出るわ、人外思考の上司にさえ「君には人の心がないのか」とまで言われる始末。かわいそす。胃が痛いだろうし、神経やられそう。

 でも外交官も諜報の最前線を担っている訳で、こんな事までやって他国の経済面の評価をやっているのだなぁ、と。女性用生理用品の物流で女性動員状況を推測するって・・・んでそれを男性士官にやらせるって・・・中将さんこそ人の心は?まぁそれぐらい小手先の言いくるめで誤魔化せよ、と言いたいのでしょうけれども。

 次巻も楽しみです。

一応ガルパンおじさん

 劇場では見ない人なのでBD待ちでした。ようやく見れたよ。

 

 主人公が早々に退場してしまった継続戦ですが、元会長→次期隊長の一年生、と指揮がバトンされて、何とか戦い抜きましたね。相手の選手にリーゼントの三人組がいたのにビックリしましたが。リーゼントってフィンランドと何か関連があるんですかね?まったく調べていないので解りませんが。

 戦場後半が超難易度のスキーコースで滑りながらやり合うって感じで、そのスピード感で目が回りましたね。この試合、戦いは互いが互いの考えている事を読み合いながらやっている感じで、自分は間抜けな負け役が一方的に負けてしまう展開ってのがあんまり好きではなくて(物語も何もないよなぁ、と思ってしまう)、こういう互いの読み合いの末に最後は殴り合いって展開が好きなんですよ。ガルパンを見続けているのって、オタクと言えるほどではないけど戦車好きなのもありますけれど、こういう噛ませ犬が存在しない展開が好きだから最後まで見ようと思ったのかも知れません。

 あと黒森峰の戦術がエリカ隊長になってから三号戦車を主体にした機動力を重視したものになったのが好印象でした。重戦車並べて戦うって言うのは、ツッコミどころ満載だよなぁって思っていたから。戦車戦になると不利ですけど。

 決勝戦は聖グロリアーナと、つまり初戦の親睦試合と同じカードになりましたね。ある意味因縁のある相手との最終戦。楽しみです・・・完結するのは何年後でしょうね(あ

 

 上記記事とまったく関係ないけど読了したので。平将門と同時期に瀬戸内海地域で反乱を起こした人物ですが、後世への影響は将門よりも小規模です。まぁ関東が畿内に対して自立傾向にあるのに対し、瀬戸内海は現在でも物流の大動脈であり、畿内に対して自立とか考えていない地域というのもあるかも知れません。だから反乱者を称える関東とは異なり、反乱を鎮圧する側を称える傾向にある、と。

 反乱の性格も異なり、将門は親族を中心にした在地勢力争いでしたが、瀬戸内海周辺は飢饉と国司の収奪が原因で、藤原純友は鎮圧する側であったのが海賊側へと心情を移していき、ついには反乱を主導する事になったこと。藤原北家傍流と言えども祖父は最高権力者になった藤原高経の異母兄弟で、その政権運営に協力した人物だし(マンガ『応天の門』では弟をいじめる悪役面でしたが、実際は良好な関係で軍事面で支えていたみたい)、早死にした父親は五位、つまり中級貴族。陽成上皇に仕えたりして当時の高等教育を受ける環境にあり、戦略眼は将門とはレベル違いであり、陽動を駆使して官軍の隙を狙うなど、同族争いレベルの将門とは次元が違います。

 反乱の主力である海賊行為も行う海洋豪族たちの信頼も厚く、最終的に敗北したのは慣れ親しんだ瀬戸内の海賊ではなく、九州勢力をまとめて仕掛けた大宰府攻撃が上手くいきすぎて撤退する時期を九州勢力が見誤り、捕捉され撃破されたって言う感じらしいです。

 朝廷に対するインパクトもまったく異なりますね。それに関東ではその後も在地勢力の勢力争いが頻発し、陸戦で相手方の農家や農地を焼いたりするので、結構な期間、戦災による被害が継続したみたいですけど、基本的に奪って去る海賊行為は農地に被害を及ぼす事が少なく、反乱が起こった地域も比較的短期間で立ち直り、また国司の収奪と上手い事おりあう在地勢力が現れて、関東に比べると平穏な感じになったようです。

 まぁ、とはいえ純友の反乱に関する資料、記事は少なく、著者も関連記事を総動員して書いておられて、おかけで純友が没落していく貴公子である事が理解できて面白かったです。

読み終えたものが、ない

 最近『光る君へ』効果で平安時代の研究成果が一般向け冊子化される事が多くて、平安前期から中期の事が書かれている本をよく読んでおります。今日か明日ぐらいに二冊ぐらい読み終われそう。『デューン』三作目は二冊目に入りました。

 ここ数年大河ドラマを見る機会が増えたのですが、自分の好みって家族を基本として、その貴族が権力闘争しているドラマが好きなのかなぁ、と。だから大河でも幕末維新期はあんまり興味がない。家族という単位よりも個人が表に出ていて、剥き出しの権力闘争のサイクルも早いからドラマを楽しむのが短いから、なのかも、とか思ったりしたり。そうでもないか。

 なーんか幕末維新ってそんなに興味を持てないのですよね。幕末志士ってテロリストまがいの連中が大義名分立てて悪さしているとしか見えないし、その大義名分も戦時中の軍部の、なんか一般国民の事なんか欠落しているだろうって思える『国体』とやらに繋がっていて、まったく同感できない感じ。今の『伝統的価値観』って実は維新後の中央集権国家が成立してから形成されたように見えるし、それは外国の圧力に対抗する軍事力を形成する事に特化していて、義務教育からして軍隊の一員たることを求めているようにも見えるのですよ。

 時代がそうさせている、とは言うものの、それで国家のかじ取り、判断が肥大した自尊心によりミスっていき、あの破滅を招いたとも思うし(指導者のみならず国民世論の大勢の行きつく先があの破滅であったと思う)、『伝統的価値観』という奴も人の都合によって変化していくものだし、それを墨守する必要性はどこにもない。つまり自分にとってなーんか、マイナスイメージの原点が幕末維新にあると感じているからなのでしょうね。

 戦国武将と現代の自衛官までつづく近代の軍人たちを並べると、どうしても配下の人材、兵力、領民を自分の財産として捉え、いかに損害を出さずに運営していくかと考える戦国武将の方が、官僚として、数字としてそれらをとらえがちであり損害を出す事にも比較的無神経な近代軍人を評価する事はできない。もちろん前近代の人の方がいいという訳ではないし(まずもって価値観が異なるし)、たぶん世代間の認識の違い以上にアレな感じになるでしょうが、近代以降の人間って、人間を数字で捉えがちになってしまい、非人間的な考え方になってしまいがちなのかも知れないなぁ、と思考があっちこっちに飛び交っています。つまり、どいう事かというと、千文字埋めたぜ(そこかよ

衝撃の出来事

 まぁそこまででもないのですが、卓が騒然とし、罵詈雑言が飛んだのは事実でありまして、自分もちょっとびっくりしてスクリームしてしまいましたが。

 昨日は『エルデンリングTRPG』のキャンペーンをやっていたのですけれども、ドラゴン戦がありましてね。PTメンバーは満を持して、望んだわけですよ。二ターン経過し、後一、二回殴れば倒せるという段階になって、このゲームシステムでは非常に珍しいのですが、逃亡しましてね。まずその衝撃で「誉はないのか」という言葉が。続いてGMから報酬はともかく、経験値も得られないと告げられた時にスクリームが巻き起こりましてね。あれはD&D3eをプレイした時ですから四半世紀弱前ですかね。それまでのTRPGでは逃走したクリーチャーの報酬はもちろん経験値も得られなかったのですが、D&D3eでは、経験値はもらえたのですよ。まぁ戦闘経験なんだから、相手が逃亡してももらえるよね。んが、昨日の逃亡ドラゴン、お宝はともかく経験値も落としていかなかった!!なんか自分にとっては四半世紀前の状況が戻ってきたような感じで、新しくて古いグループS〇Eのゲームって思ってしまいました。ブレないな、そういうとこ。

 さて見たもの。

 『ダンジョン飯』。ファリンが再生されました。漫画原作読んでいた時はね、これでひと段落だよなぁ、とか思ったんですよね・・・大間違いで、次回から始まるんですよね!!中ボス、シスルの活躍が始まりますからのぉ。あとは、ライオスへのストレスをためてしまう人が増えていく、とかですかね。楽しみです。

 『魔女と野獣』自分、先週の回が最終回かなぁ、と思っていたのですよ。ギドに呪いをかけた魔女が現れるから。人気が出たらこの続き、見せてあげるよ、みたいな感じになると思っていて。でももう一つエピソードをこなすみたいですね。ほんとに吸血鬼エピソードの手前までなんだ。あのエピソードも人の下劣さと優しさが表現されている好きな話なので、大歓迎なんですけれどね。

 『フリーレン』ひとまずの最終回ですね。たぶん半年後とかに三クール目が始まってくれるのではないかと期待しています。黄金郷のマハトのエピソード、好きなんですよ。知る事と理解する事は別だって感じが。そのすれ違いが人類と魔族の決定的な対立になっている感じがして。次のシーズンも期待しています。その間、円盤買って見ています(あ

 『白暮のクロニクル』原作とは異なったストーリーの組み立て方をしており、それはそれで理解しやすいかも知れないって思いながら見ています。次回が本格的な因縁編ですかねぇ。久保園さんたちが雪村がしでかす事に頭抱えている感じが、アレンジされて表現されていましたね。次はバーカウンターでしみじみ言い合ってくれないかなぁ。

 『光る君へ』絶妙なすれ違いで道長とまひろが遠ざかっていく感じが、すげえなぁって思いました。太政大臣頼忠家は道兼に接近するつもりのようですけど、果たして?そして次回、道長の心に住んでいるのがまひろであると、倫子は悟りそうな展開ですが、まひろと倫子の関係はどうなってしまうのでせう。ああ、地獄で楽しい・・・(ヒドイ

 来週も楽しみです。

書き忘れてた

 読み終わった新刊漫画がもう一冊ありました。

 

 なんか二巻は一巻の半分ぐらいの厚さになっていません?イヤな予感がするでござる。

 だいたい三つぐらいの中世レシピが漫画の中に用意されているのですが、自分ができそうなのはだいたい一品ぐらいかなぁ。できそうというか、作って食べたい、かしら。デザートはつくりたいと思わず(あ)、パイはパイ生地つくった事ないなぁ、となると、大変シンプルなありあわせの野菜と肉をつかった煮込み料理をこさえる事になります。まだつくっていませんが(あ

 しかし、なんか解ってきましたよ。ヨーロッパの料理って基本煮込みなんですな。そうすれば硬い肉も野菜も、口当たりが良くなるし旨味も出るし一石二鳥。まぁ二時間ほど料理に時間を割くことになりますが(煮込みが二時間かなぁ)。旨味が強制的に確保されるので塩味控えでも味はしっかりするというのは、水曜日にこさえた山羊肉のラグーパスタで体感済み。しかし味のパリエーションという意味では物足りないかしらん。

 そういうのも組み合わせて料理を食べたいものだなぁ、と。

 話としては、略式の戦争とも言うべき決闘が行われたり(しかも仕掛けた方はスポーツ感覚という勘弁してくれ、な感じ)、勝ったから、しかも相手も大怪我する事無く決着がついて、叙事詩好きな(自分でも歌っちゃうぐらい好き)騎士だったので、望みうる最高の決着になりましたが、これ、悪意ある相手ならヤバかったですなぁ。

 石造りの城が徐々に形になり機能を得ていくのもいいなぁ。城に駐在している三人の騎士たちの背景も徐々に語られてきまして、そもそも城の土地を支配している領主一族の事もじんわりと、解ってきました。んでヒロイン登場ですかね?次巻は・・・一巻並みの厚さになっているといいなぁ・・・

 あと読んでいるものは、この殺伐としていながら、ほのぼのさを失わない『騎士王の食卓』とは真逆の『デューン 砂丘の子供たち』の新訳を読み始めております。前作で一作目の主役ポールとヒロインはグッバイしてしまい、アトレイデス家で残ったのは母ジェシカ、妹アリア、そして双子の兄妹。その三者がなんとまぁ三つ巴の疑心暗鬼に陥り、そして旧皇帝家のコリノ家も復権の為の策謀を巡らせるという、なんとも希望のないスタート・・・いいぞ、もっとやれ(あ

 『デューン』のシリーズは十代の頃から気になっていたのですが(日本語版も結構出ていた)、何というか、ちょっと設定とかが乗れなかったから手を伸ばさなかったのですよね。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によってビジュアル化されたものを見て魅了されなかったら多分読まなかったかも。ああ、感情を削られるのだろうけど、少しづつ読んでいくですよ。

読了漫画も溜まっている

 火曜日は無事に図書館へ返却でき、借りる事ができましたが、まだ一ページも読んでおりません。購入した漫画本を読んでいたから。そして水曜日は、晩に録画した映画を見ながら飲んでいたので半日ぐらい使い物にならず、デューンの第三部もなかなか読み進みませんでした。映画の方は・・・まぁ、こんな感じかな・・・TVドラマの『ナイルに死す』に比べると、ちょっと空回りしたような気もします。はい。

 

 五十嵐大介さんの作品は購入するようにしています。発売日に書店になかったから取り寄せてもらいました。だから届いて現物を見てから「BL本?」とか思ってしまいましたが、読んだらそんな事は(今のところ)なかったです。鎌倉と猫に関するフォークロアって感じの話ですかね。BL要素は今のところないです。登場する男子がベタベタしているぐらいですが、まぁ彼らは〇け〇っぽいですからのぉ。巻末の話でだいたい正体が判明しましたが、どーなるんですかねぇ。次巻をお楽しみに。

 

 確定。主人公はホームズではなく『少年探偵団』ですね。しかもストリートチルドレンの。今回はチャイニーズマフィアあがりの、つまり腕っぷしの強い奴と、これは仲間になるかどうか判りませんが、軽業大道芸の女の子が登場しました。頭脳である主人公も強かな性格が強調されたし(ばれなきゃ法の外の事をやるのも厭わない。ばれないようにかなりクレバーな立ち回りをしているし)、『正義感あふふる少年』ではないところが気に入っています。続きが楽しみです。

 

 聖女候補たちの個性も判り始めてきました。そして『聖女』と『神子』と呼び方が異なる人々がいて、それがそのまま『拡張派』『穏健派』と別になっているとは。作中では『革新派』と書いていますけど、他国へ宗教侵略しようとしているんだから『拡張派』だよなぁ、とか自分は思ってしまいましたね。前回の聖女選びで殺害された娘がどう殺されたのか、というのが、ちょろりと判ってきました。

 さぁて次巻はどういう展開になるのでしょうね・・・発売予定は八月ですか。楽しみですねぇ。

できれば今日、返却したい

 なので読み終えた本の感想をかきくけこ。

 

 アメリカ人、あるいは1960年代に物心ついていた人たちにとってJFKという略語は様々な意味を持っているようで、それをまざまざと感じさせられました。自分にとっては数ある歴史上の人物なのですけれど(あ

 しかし若くて健康なイメージのケネディが、実は病弱で、政略結婚から生まれたから母親からハグされた覚えもなく、厳格な家父長で絶対権力者の父親にも逆らえず、その反動からか病的な漁色家になっちゃったとか(病弱なのに)、ギャングやマフィアともつながり金は力なりと理解している父親のいうがまま、兄のスペアとして生きてきましたが、運命の悪戯か、兄よりも『英雄』化戦略が成功してしまい(日本軍の駆逐艦天霧と夜間衝突して、指揮していた艇を沈めてしまったことも、本来罰せられるところが、遭難した部下たちと生死をともにし帰還した事が武勇伝とされて、いや父親の金とマスコミの報道力でそうなってしまい、軍も叙勲せざる得なかったとか)、それに焦った兄が無茶な出撃をして戦死してしまったこともあって、彼がケネディ家の旗頭に。

 一族上げての選挙戦、下院、上院と駆け抜けて大統領選に当選。若いという事は未熟の裏返しであり、政府スタッフも頭でっかちな人々が多かったとか、人脈の形成が不十分とか、まぁ色々あるのですが政治危機で鍛えられて、ネゴシェイターとしては有能になっていきます。キューバ危機なんか、強硬派のいう事に流されていたら核戦争勃発の瀬戸際だったようです。

 あたかも日本における『本能寺の変』のように議論百出のダラスでの暗殺事件も、様々な陰謀論が出ていますが、やはり単独犯説が一番収まりがいいようです。政治的に彼を抹殺するには、女性関係やら夫婦不仲やらを暴露するだけで可能なようですし、『健康』で売っているから、余命が十年みたいな事実さえスキャンダルになりそうだし、個人ぐらいぢゃないですかね、邪魔だから命を奪うって発想になるのは。そんな感想を抱きました。

 ケネディの時代はアメリカが一番輝いていた最後の時期で、その『伝説』とともに人々のノスタルジーを掻き立てるのでしょうかね?

 

 一言で言うと「ドイツを西欧でひとくくりにすんな」って本ですね。英仏とは違うんだぜ。という。第二次大戦後の話題が哲学めいてきて、ドイツの自分探しの歴史みたいになってしまってアレだったのですが、戦後世界がいかに『ナチス・ドイツ』を悪役にして成り立ってきたのか、というのも良く解る本でした。未だにロシアはそれを口実にして侵略してるんだもんな。

 

 

 駆け足になっちゃいますけど最後はコレ。本格的に律令国家を準備し、強要した人って評価ですね。それまでも、著者の見方では推古天皇時代から律令制への準備は始まったけれども、豪族連合である日本で中央集権の軍事国家を建設するなんて、やすやすとはできません。白村江の戦いで大敗してしまった天智天皇ではムリだったと。だから、この本にはそうとは書いていませんが、天智天皇と『共同統治』していた大海人皇子が、天智天皇に後継政権をどうするか問われたところ、天智の皇后を即位させ、天智の庶長子である大友皇子を執政に立てればいいと答えて、出家して吉野に下って行ったのは、兄天智とともにつくりあげた律令制が脆弱であり、自らそれを武力で打破する事で、いざとなったら強権を発動する天皇として豪族たちを威圧し、それを持って律令制を豪族たちに強要したのではないか、と、そうとは書いていらっしゃらないけど、そんな風に読めたりします。

 中央だけでなく地方においても国造と呼ばれる豪族たちの支配領域を解体するような事ができたのも、軍事力で政権を奪取したという武勲あればこそ。もっとも自らが兄とともにつくりあげ、打倒した近江朝廷を攻撃した軍事力は、彼の個人的な人脈を駆使して集めたようなので、何というか、それなら軍功をあげた人々が彼の政府中枢にいない事も説明つくのかな。

 あとは継体天皇以降、縁遠くなっても臣籍になっていないので無造作に広がってしまった皇族を整理し、遠い縁戚は臣籍にして天皇の二世代、あるいは三世代子孫までを皇族として規定しようとしたというのも業績ですかね。系譜が不明な王族がこの時代から官僚になっていくので。

 そんな感じで駆け足で感想書きました。ふう。