pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

文庫版も読みました。

 図書館で借りて単行本は読んでいます。

 

 最初に読んだのは十年近く前ではないかしらん?なので作中世界の状況よりも、現実世界の変化の方が劇的だったりするよねー、と思うのですが、たぶんチェチェンの方は報道されていないだけであまり変わっていないかも。

 表題の『未亡旅団』はチェチェンの抑圧され恣意的に家族を奪われ、自身も性的を含めて暴力にさらされた女性たちのテロ集団で、自意識を持ってやっているという。それが日本国内でテロを目論み、阻止する『機龍警察』と警備部。足を引っ張る国内の『敵』という図式。そして『未亡旅団』の名称、構成員からして女子ばかりであり中には未成年も含まれている。つまり正規戦では非戦闘員のカテゴリーに入りがちなテロリスト相手に、百戦錬磨の機龍搭乗員(傭兵、元テロリスト、犯罪者として母国を追われた警官)たちも鼻白むという。自爆攻撃をしかける少年兵の彼らを助ける為に無茶な作戦に挑む・・・まぁ無茶苦茶なんですよね。しかし警察官ってこういう無茶苦茶な作戦をこなさなければならないという。しかも当の相手からは感謝されるかって言ったら、どうなんぢゃろ?って感じだし。

 でもそういう日本の警察官だから信頼されるんだよなぁ、と思ったり。

 テロリストの親玉は、くそ上位組織の命令と、政治目的と、痴情のもつれを解消するという一挙に何得やねん、という作戦を立てたスゴイ奴。だから憎むのか同情すべきなのか、よく判らない。こういう物語だから読み続けているんですけれどね・・・

 

 ややこしい人々の、ややこしい恋愛模様で、ややこしい・・・ややこしい・・・もどかしい・・・でも次巻で最終巻?どうするんだろう・・・

 つまり何も説明しないでおく。

 

 短編集だとサクサク読めますネ。日本オリジナル編集の既刊短編集は五冊出ていて、これは二冊目。立腹する事も少なく、とてもスムーズに読めるので、七世紀アイルランド世界のミステリーを楽しみたいなら、ここから入った方がいいかも。今読んでいるのは四冊目なんですけれど、フィデルマが賞賛する師匠のモランの下で学んでいた時の、『試験』の話が二つ入っているのですが、このモランというおっさん・・・度し難いぞ。資格試験の時はまだしも、入学した当初のそれはヤバすぎる。このおっさんを信用するって、よっぽど学習時の授業が素晴らしくなかったらあり得ないよな、と昨晩読んでいて思いました・・・あ、この本の感想ぢゃないぢゃん!!