pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

短編集はサクサク読める~

 昨夜五冊目にかかりました。手軽に読めますからストレスを感じない~。

 

 

 

 傾向として修道院関係者の事件が多い、とか、弁護士として登場すると検察側は嫌な奴、とか、フィデルマが若い修道女という事で見下してくる、とか、そういう登場人物が多いのは相変わらず。

 あと思っていたのですが、ほんとに古代アイルランドの法典ってここで整っていて、現代法と遜色ないものだったんですかね?不勉強なので実際の記録からたどれるのか、著者の創作なのか知りませんが、復讐法ではなく弁済法というのが興味深い。

 以前から自分、現行の復讐法って被害者にとっては溜飲を下げる以外に何の意味ないよなーっとは思っていたのです。たとえば一家の大黒柱が殺されたとしても、被害者家族に補償など何もなされないし、将来を託そうと育ててきた子供を殺されても「お気の毒様」ってお悔やみを言われるだけ。

 しかし弁済法だと罰金が科せられる訳で、作中だと殺人の罰金は何十頭という乳牛で計算されます。貨幣経済の社会ではないから乳牛で計算されるところがらしいって感じ。もちろん乳牛何十頭なんて想像するだけでひと財産であり、庶民が払える資産ではないので、その場合はどうするのかは、解らないのですが。推理ものであって法廷ものというのは一部分のことだし。

 でもアフリカの例から類推すると(犯罪を犯した者が属する共同体が被害を受けた者が属する共同体に対して弁済するという形でトラブル解決したら、復讐の連鎖を断つことができ、虐殺の連鎖も途絶えたという話を聞いた事がある)、犯罪者の家族、親族、氏族がその責を担う事になり、属する共同体内で犯罪を犯した者にはペナルティが課せられる(社会的地位が低落する)という事になるのですかね。

 個人主義となった現代日本では成り立ちにくいし、犯罪をおかした後に弁済しようにも資産家ではなく労働者なら犯罪者が雇われる確率は低下するから、本人が生きていくのも難しくなってしまう。犯罪者がまとまったお金をつくるとしたら人身売買か臓器売買・・・犯罪だな!!と思い至ってその後考えなくなったのですが、被害者に何も補償がないという現行法、何とかならんものですかね?

 また本の内容にあんまり触れない文章になってしまた・・・