pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

読んだものをこなす

 感想を早く書いて本棚に収められるものは収めてしまいたいです。

 

 初めて仇側の庶民?の立場が見えましたね。人間と亜人の子がどんな差別、虐待にあっているのかという事も。そして彼らが人と変わらない感性を持っているという事も。

 気になるのは頭のネジがぶっ飛んだような青年・・・亡くなった王妃・・・人柱・・・人ぢゃないから、神様みたいだから神柱とでも言うべきか・・・の弟という奴。王妃が抑え込んでいた存在に仕えているみたいだけど、自分が気ままに生きるみたいな感じで、王には姉を奪われた恨みがあるけど姉に似た姪には、そんなものはなさげ。こやつがキーマンになりそう。

 次巻は人間と敵軍の決戦になりそうですが、なーんか『守護神』視されている存在が、血みどろの茶々を入れそうな、そんな展開が予想され・・・次巻も楽しみです。

 

 実は完結したら手放そうと考え始めている作品です。なーんか思わせぶりな謎がちっとも解明されないまま、冗長な展開が続き、まぁダレたって感じですかね。しかしこの巻は自分的には結構前進しました。霧の艦隊が地球環境保全の為に海洋封鎖を行ったということ・・・まるで人間みたいぢゃないか。

 主人公が指揮官として戻ってくると戦闘シーンも締まったような感じになるし、今後の展開に期待が持てる感じになりました。まぁ何が言いたいかというと、『霧の艦隊』の全容と目的をとっとと明かしやがれ、という事でござります。はい。

 

 名前しか知らん人なので読んでみようと借りました。んで思ったこと。好きになれない人柄だな、と(オイ

 大坂町奉行所の与力を務める家ですが、血統的には先祖は徳島藩士からの養子。しかしその前の、大塩家の本家は御三家の尾張藩に仕え、家康より褒美を賜ったという家柄。なんかそれがアイデンティティになった人っぽく、尾張の本家に通って家宝の拝領品を拝みにいったりしています。

 実践を尊ぶ陽明学を学び、清廉な能吏たらんと働きますが、先祖代々そういう清廉能吏を輩出する同僚家の事は無視しているという・・・負けん気が強いのか。確かに能力はありますが、好悪が激しいってイメージ。従う人には良き人で対立する人には扱いにくい感じ。

 貧者を助ける為に暴走したって感じで、豪商を襲って米をばらまくよりも、放火、砲撃で火事が発生し焼け出されて余計に貧窮した人の方が多いというのに、貧者は「大塩様の世直し」と拝んでおり、なんか感覚が違うなぁ、と。背景にあるのは絶望的な天保の飢饉で、幕府も手を打っているけれども、基本的に米価の安定化であり困っている人を即応で救う物ではない。また飢饉が東日本の冷夏が原因の為、米不足は江戸方面で深刻であり、大坂の米を江戸に送っているという。それが困っている関西の民は放置しておいて、江戸で高く売れるから米を送るのか!!と思っていたようです。

 大塩の発想や行動力って幕末の『志士』という連中と近しいものがあり、何というか世論形成とか、根回しとかよりも実力行使が先行する考え方がね。飢饉に対して即効性のある手を打てない。打ったとしても焼け石に水な状況ではそういう行動を取らざるを得なかったと言っても、なんかねー。オレがオレが!!みたいな性根が透けて見えるような気がする。

 今、池田屋事件の本を読んでいるのですけれど、時代空気として、世論形成よりも実力行使が先立っていて、何というか、江戸時代中期以降の空気ってそんな感じになってしまったのだなぁ、と。まぁ2000年代以降の研究を踏まえると戦国時代、いや織田信長が意外に世論形成に気を配っている。つまり自らの政策を公家社会、武家社会、都市部商人たちに周知し、各社会が何を望んでいるのか調べ、自分に従う事によって有利になる状況を提示し、多数派形成に気を配っているのですが、トップダウンによる命令一下で事態が動くと思い込んでいる人々は、そういうものを軽視するのだよなぁ、と。ブラック企業と言われるものも、そんな感じだよね、と。

 まぁそんな事を考えたりしたり。