pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

東海地方(織田、徳川家中を除く

 表題に語弊あり。正しくは織田信長徳川家康の家臣団を除くです。

 

 久しぶりの続巻です。来月だかに甲信編が出るらしいですが、他の地域に比べると偏っているよねぇ、とか思ったりしたり。甲信編は武田家中が圧倒的に多いでしょうが、東海編は今川家中が圧倒的で40%越えの二十人が今川関係者です。まぁ三河尾張美濃は信長や家康家臣の本拠ですから、それを除けばそうなるのかなぁ、と。

 新しい知見は、まず今川義元寿桂尼所生の子ではないと断定されたこと。まぁ出家していたし、今川氏親正妻の寿桂尼が生んだ義元よりも年下の、世俗の弟が当主スペアとして存在していましたからね。今川一門の娘を母としていたので、異母兄ながら家臣娘を母とした玄広恵探よりも順位が上で、いち早く今川家当主として認められる訳です。

 後は、織田信雄の事績は本人の能力と言われてきましたが、どうも彼が跡を継いだ北畠家家中が彼の家臣団の中核になったらしく、彼の行動は旧北畠家臣団の意志に規定され、それ故に信長亡き後に織田家中の支持を集められなかったようです。まぁ織田家中にしてみれば外様の、他家家臣団が政権中枢にやってくる訳で、それはイヤだよなぁ、と。

 その北畠氏も大名家の利害が自分たちの利益にならないと判断した家臣団に滅ぼされたようなイメージに変わりました。だって信雄の意思決定に影響力を及ぼすほどに旧北畠家臣たちは影響力を持っていたのですからね。

 他には、家康父の松平広忠くん。なかなか危ない綱渡りをしているなぁ、と。最初は三河を西から侵食する織田信秀と東からやってくる今川義元に対抗する為、渥美の戸田氏と結んでいたけれど、織田との戦いに敗れて安城は取られるし、息子は人質になってしまうし、それから一転して今川従属になって領域を取り戻すけど、病死だか暗殺だか、とにかく亡くなってしまうという。

 斎藤道三の国盗りも意外に期間が短いので、だからやった事の大きさに比べて事績が残っていないのだなぁ、と。道三、義龍、龍興の家が消えていったのは、特に義龍の寿命が短かったせいかも知れませんが・・・でも禅僧の住持問題で、旧来の秩序を無視した任免を押し通そうとして禅宗の界隈で物議を醸して大規模な騒動になっているので、その処置を間違えて美濃どころか東海地方の禅宗界を敵に回しかねない事になるほどでしたから、やっぱり政権寿命を短かったかも知れませんねぇ。

 次のシリーズ発刊も楽しみです。