pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

ちょいとヒット

 昨夜見た録画しておいた二本の映画が自分的にはなかなかでした。

 

 この作品もそうですが、この映画を撮っている監督さん(名前は忘れた)、画像が絵本というか、紙芝居というか、そういう平面的な見える画像を使って、冷静に物語を進めていくという手法をとっておられて、そういうのが心をえぐっていくって感じ。

 舞台は1960年代、アメリカの僻地・・・(結構大きいけど)離島で、孤児で里親は上っ面な理解だけ、仲間からはいじめられる少年と、両親から持て余され、三つ子(にみえる)弟たちからは浮き上がっている孤独な少女が、駆け落ちをするところから始まります。

 何というか登場人物の挙動が、凄く特徴的で、それが逆に味があるって感じ。んで見終わった後、世の中も捨てたもんぢゃないって感じるところが、まぁ楽しい。良く見ればブルース・ウィリスはじめとして、見た事がある俳優さんがちらほら出ているけど、その俳優さんをイメージさせる演技が抜け落ちている感じがするので、しばらく気が付かなかったのですよね。それぐらい演出が独特なので、それが楽しいですよ、はい。

 

 監督がスウェーデンの方で、そしてヨーロッパの国々の共同制作の映画なので、ハリウッド映画とは異なるテイストのブラックユーモアというか、演出というか、え、そこで?そこで終わるの?という感じのラストでしたが、まぁそこは観客の想像に任せるって事なんですよね、はい。

 冒頭はそこそこ使われているけど、決して生活に余裕がある訳ではない男性モデルのオーデションシーンからで、その後、同じように女性モデルの恋人とのレストランでの食事シーン。お金を払う払わないのイザコザから、女性の方がSNSの話題作りの為に男性と付き合っていると判明し、男性の方がそんな彼女をメロメロにしてみせると宣言。

 そこから比較的小規模の豪華客船でクルーズに参加するのですけれど、船長から上級船員から、下層の清掃員、船客のたち、それぞれの隠されたエゴが遠慮会釈なく描かれていて、そのエゴによって相手の人生狂わせたりもして、船長も無責任だし、その無責任から嵐に遭遇して遭難。無人島らしい島に生き残った人々がたどり着きますが、もっとも生活力のあるトイレ掃除婦だった中年の東南アジア系女性以外、魚を採るどころか火を起こす事もできないという状況。そうなるとヒエラルヒーが逆転し、その女性が全てを支配し、男性モデルも侍らせる立場に。

 実社会だと女性モデルに色目を使う男が多く、男性モデルの方がやきもきし嫉妬するのですが、この極限状態だと逆転。食べ物を確保できる人間が頂点に立つ訳なので、他の男たち・・・実社会だとお金持ちだけど、ここでは役に立たないので魅力も何もないし、自信も喪失しているから言い寄りもしない。

 まぁ探索してたら無人島ではなかった事が、女性モデルと中年女性の探索で判明するのですが、そこで取った行動の途中で映画が終わるという。

 少し変わったテイストなので、たまに見ると楽しい感じの監督さんだよなぁ、と思いました。『鬼才』という事はそういう事なのね。