pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

続編は・・・あー、はい。

 一昨日の夜見た映画の続編『リディック』を昨夜見ました。お金は前作よりもかかっています。んが、世界設定がチガウ。星間飛行は冷凍睡眠ナシで行けるようになっていました。まるでマーベルだかDCコミックだかのヒーローものを見ているかのよう。ちょっと違うのは、動機が世界を救うではなくて、かつて助け、『女豹』に成長した女性キャラを再び助けに敵本拠に殴り込み、何とか勝ったけど『女豹』はグッバイ。そして掟だかなんだかで悪の組織のトップになったところでエンド。ええ!!続きが気になるけれど、ええっと、前作の人間ドラマは何処行った?

 そんな訳でメインは先ほど読み終えた、コレ。

 

吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)

吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)

 

  ほぼ十年前の本ですので、まだ民主党政権を経験していない記述ですね。まぁいいです。

 吉田茂に関しては、そういえばまとまったものを読んでいなかったナ、と思い借りてみましたが、想像以上に『貴族的』な男でした。政治目的の為には卑屈にならないし、時に傲岸とも言える手法をとりますが、ブレないという点で。ま、出身階級が上流社会ですからね。

 なかなかに傍若無人なのは人物評が情け容赦ない。『不肖の息子』ってすげえな。

 一貫して外務畑で自由貿易主義者であり、それ故に昭和の経済危機を統制経済国家社会主義)で乗り切ろうとする手法には反対。大正デモクラシーを経験し、それこそが日本の政体として適切であると疑わない。

 戦後再び政局の表舞台に躍り出ますが、ご本人が目指したのは日本の『独立』であり、『経済的自立』で、その為には軍備など余分なストックであり、防衛面をアメリカ軍におんぶにだっこされて、経済的な発展のみを追求した政治手法は『吉田ドクトリン』と呼ばれています。当時も自力防衛手段を持たない国が独立国家と言えるのか?という論争はあり、現在『護憲』と九条を金科玉条扱いしている左まきの人々の、組織的ご先祖たちは「アメリカの押しつけ憲法」と反対したようです。今と真逆なのが面白い。

 吉田茂本人も『日本国憲法』は押しつけで納得していなかったようで(大日本帝国憲法を変えなくてもいけると考えていた)、それを飲まないとアメリカが承知しない。ならば飲むよ、独立のために。という感じ。面白いのは当時から中国が台湾と大陸で対立していましたが、アメリカは台湾を支持していましたけれども、貿易立国となる為には市場が必要。なので大陸中国を認めて、そちらと平和条約を結ぶのは構わないと発言し、アメリカ側を慌てさせていること。『エコノミックアニマル』と日本人が呼ばれた七十年代までのイメージは彼から始まるのでしょうね。

 そういえば日本の国防的自立を目指した岸信介の孫が今は首相であり、その路線を継承しています。世論も若い世代を中心にそちらに傾きつつあるようです。戦後七十年の『悲願』である『独立』を選択するのか、もしくは七十年間の日本をリードした『吉田ドクトリン』が今後を継承されるのか、どうなんでしょうね。

 ・・・現在『吉田ドクトリン』の信奉者って左まきに多そうなんですよね。面白いなぁ。