pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

大吟醸を『氷砂糖』とか言う奴

 あ、オイラです。はい。日曜日のインセインセッションの後、Nさんと千種の日本酒barに行って、辛口を総なめしましたが、Nさんが飲みたいというので、おつきあいで大吟醸の銘柄を頼みましたが・・・案の定、甘かった。その時店員さんに語った言葉が「爽やかな氷砂糖のようだ」でした。はい。ダメです。オイラに大吟醸を飲ませてはいけません。すっきり系の辛口でないと甘く感じてしまうのですよ。もしくは熱燗。これが自分の日本酒の好みであると自覚する今日この頃です。

 さて、この三連休は土曜日はTRPGのシナリオをつらつら書き、日曜日はインセインのセッションで公式の『トンネル』をアタクシがGM、つぎに同じく公式の『プリズンシアター』をNさんがGMされました。公式のインセインシナリオはお手軽なので気安く遊ぶといいですぞよ?

 月曜日は日曜日にたらふく日本酒を飲んだせいで午前はつぶれたようなものです。あ、艦これがね、月初めの週初めなのでマンスリーとウィークリーの任務をこなしていたのでアレでしたが、ま、そんな三連休でした。

 そして読み終わった本はコレ。

 

早良親王 (人物叢書)

早良親王 (人物叢書)

 

  桓武天皇の弟にして皇太弟でしたが、藤原種継暗殺事件の実行犯や関わった人々が彼に仕えていた人や、その周辺人物であった事もあり、過酷な拷問の末、彼の名前が自白され、通説では自発的に飲食をやめ餓死したとされていますが、どうも飲食停止は強制的なものだったようです。以前どこかで天武天皇以降、天皇で殺された人はいないとか書いたと思いますが、一人だけ孝謙天皇から譲位され後に廃位された淳仁天皇だけは、どうも配流先から脱出しようとして捕えられ、その日にうちに没したというからには殺された臭いです。故意、事故、両方ともありそうですけど。

 それはさておき、この早良親王が亡くなって五年近い歳月が経過した後、桓武天皇身辺の人々の死が相次ぎ、また疫病も流行した事により、死の床についた桓武天皇により天皇号を追号され御霊として祭られる事になりました。討伐された人物が怨霊になって祟りを成すという思想は、聖武天皇の時に反乱を起こして処刑された藤原広嗣の時からあるようですけれども、平安時代からこっち、国家によって、少なくとも中世後期まで各所で鎮魂のお祭りをされたのは、この早良親王が最初の存在と言えそうです。

 ご本人は末端皇族で早くから出家されていたのが、運命の悪戯で父光仁天皇が即位し同母兄の山部王こと桓武天皇が皇太子になり、母高野新笠は渡来系下級貴族であった為に、その血統を持ち上げる為に、ひいては桓武天皇の地位を固める為に同母弟として還俗し皇太弟になったようです。が、東大寺に縁を持ちどちらかというと平城京に人脈を持つ彼は、父光仁天皇に協力した臣下さえも引退させて自立的に政治を行おうとした桓武天皇にとっては次第に厄介な存在になったらしく、自らの皇后が産んだ安殿親王が成長するにつれて桓武天皇は無意識に早良親王排除を考えていたのでしょうね。そういう後ろめたさがあるから怨霊として恐れたのでしょうけど。

 ご本人は僧侶出身だけあって文芸肌で和歌を多く残しており、仲間には種継暗殺で処罰された大伴、佐伯氏だけでなく、藤原摂関家のご先祖とも言える藤原真盾もいたそうで、その人脈は広く、だからこそ桓武天皇にとっては脅威を憶える存在になったのかも、知れません。

 本の内容はその御霊鎮魂とか、僧侶時代の早良親王の実績とかが書かれています。当時の人の考え方が伺えて面白いですよ。