pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

読み終わったものが多いのです。

 金土と飲み会で、しかも土曜日は久々に名古屋にみえたYさん主催のTRPG+忘年会でした。Yさんと会うのは久しぶりだからーって行ったら参加者が二十人近くいてね?結局オイラがGMしたインセインにはYさん、みえんかったよ?

 まぁ自分以外が女性PLというなんかアレな状況で、少しばかりうふふでしたが。TRPGのGMやると、年に一回ぐらいはこういう状況になるよね。

 インセインシナリオは大雨で孤立した寄宿舎での連続殺人事件で、その殺人者を当てるというもの。佐久島ぽるかさん作の奴です。たぶんGMが腐女子ならBL展開もあったでしょうが、あたしゃオタク系ですが腐女子ではないので、割とあっさりと進みました。ペットを飼う事ができるからって、PCのペットは、はっちゃけていましたね。ハムスターや片足ひきずった烏はいいとして、子ライオン、アナコンダ(体長二メートル)はちょいとヤバい。特に二メートルのアナコンダは人間の首の骨、折ることができるぞよ?まぁいいか。TRPGだしな。

 運が良ければ年明けのアンリミテッドさんでも回したいですね。

 日曜日は、GM&二連続飲み会明けだったせいか、ひたすら寝てましたね。何も手に付かなかった。

 でも読み終えた本はあるのですよ。明日午後には図書館に返却する本から。

 

松永久秀と下剋上:室町の身分秩序を覆す (中世から近世へ)

松永久秀と下剋上:室町の身分秩序を覆す (中世から近世へ)

  • 作者:天野 忠幸
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  最初は読んだかなーっと思ったのですが、そんな事はなかったです。松永久秀と言えば下克上、梟雄の代表的な人物と捉えがちですが、研究が進んだ結果、まず摂津の五百住の土豪層の出であり、一般教養の他、古典の知識もあり、後妻には公家の後家を迎え仲むつまじかったようなので、なかなか学識があったこと。三十代始めに、譜代家臣をほとんど連れず畿内の政界にやってきた三好長慶に見いだされ、側近に、そして重臣、宿老となっていったこと。三好長慶と後継者義興、義継と、三好本宗家に基本的には従い彼らを自分から裏切った事はない。

 三好長慶死後、足利義輝殺害後に、後の足利義昭松永久秀は確保するが、これを逃した事から他の三好家家臣たちの不審を買い、ついに三好家臣の分裂を招いたこと。ここから織田信長上洛まで、松永久秀は自らの『家』の存続を第一目標とし三好勢力と血みどろの戦いをします。織田勢がやすやすと上洛できたのは久秀によって戦力を分散させられた事が一因としてあります。つまり足利義昭上洛の功労者と言えます。

 しかし大和一国の支配者となりますが、足利義昭織田信長の連立政権は周囲に敵をつくってしまいます。六角家、三好家、本願寺、朝倉家、浅井家、若狭武田家・・・それへの対抗措置として大和の国人筒井順慶を調略しますが悪い事に、松永久秀筒井順慶は大和の覇権を握って相争う仲。宿敵です。最終的に足利義昭追放後、尾張出身で大和の旗頭に据えた原田直政には従った松永久秀ですが、彼が戦死した後、信長が筒井順慶を後任に据えた事で万事休す。高い学識と広い交友関係、朝廷工作にも有能であったからこそ信長は彼を老齢でも取り立てましたが、しかし彼の勘所を信長は最後まで理解できなかったのでした。

 著者は最後に、彼が戦ったものは、あらゆる秩序だったのではないか、と論じます。下層の武士は上層の途絶えた武家の家名を継ぐことによって家格を上昇させるという手法で下克上していました。というか戦国期の下克上の大半はそれです。羽柴秀吉すら木下から造語とはいえ自分よりも価格の高い『柴田』『丹羽』の両氏より字を頂いてつくりました。松永久秀とその主君三好長慶だけが、上位の家門名を継がずに社会的地位を上昇させ、近畿の覇者となったといいます。

 なんかねー。感情移入しちゃいますねぇ。

 

  オランダという国は、だいたい六百年ぐらいの歴史。そして強国として世界史に名をとどめたのは最初の二百年くらいで、あとは小粒でもピリリと辛いぜ!!みたいな小国として現在にいたります。大国の力学に翻弄されながら紡がれた歴史であり、そして鎖国期に日本と関わりをもったヨーロッパの国でもありました。なんかね、オランダ語は新規の言葉を既存の単語とつなぎ合わせてつくる傾向にあって、学術的な新語が理解しやすいそうです。なので医学的な用語を日本語に訳す時、すごく簡便にでき、明治以降の本格的な西洋科学の受容に貢献したのではないか?と言います。

 なるほどねー。