pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

お寒い

 朝晩はそんな感じになりましたね。市況もそんな感じです。寒くなったからといって冬物を注文してくれるとは限らない。そんな感じだから余裕こいて日記書いていられるのですけれども(あ

 艦これイベントでゴトランドが良く拾えて困っています。ビス子も三隻目がドロップして、さすがにグッバイしました。育てる余裕はないです。まぁそういう事は持っていない人には殺意しか生まないでしょうが、持っていると容量を圧迫するので、そしてレア艦をグッバイするのは心苦しくて、困るのです。はう。

 昨日、桃鉄のソフトが届きまして、最低難易度で100年回し始めました。一兆円とか十兆円の物件を買うために回してみて、それが終わってからゲームをしようかと(え

 そして昨日読み終わった本。

 

宇喜多秀家: 秀吉が認めた可能性 (中世から近世へ)

宇喜多秀家: 秀吉が認めた可能性 (中世から近世へ)

 

  サブタイトルに『秀吉が認めた可能性』とありますが、本を読んでいると、そんな事は感じられませんでしたね。秀家個人の可能性ではなく、宇喜多家の政治勢力、軍事力が秀吉の危機を救い、さらに毛利家との戦争で優位に立てた事を踏まえて、その家中をコントロールし、それをしやすいように家中に積極的に介入した、と。

 もちろん個人的な相性というものもあり、幼くして父直家を亡くした秀家を猶子にしたり、最愛の養女である豪姫と娶せたりして準一門扱いをしており、それが秀家という人物の立場を補強した、というよりも権力の源泉であったとも言えます。

 その為に秀吉が死亡し、なおかつ秀家を当主として推戴する事が宇喜多家の安定、ひいては自分たちの安定につながると理解していた重臣たちの世代交代が進み、秀家と同世代で、当主としての彼の価値を軽んじ、また出頭人(秀家の側近)の台頭、秀家の専制化に反発した重臣たちによる騒動を引き起ります。ここで彼が政治家としての力量を発揮して混乱を収拾する事ができたなら、その後の政局にも前向きな影響力を行使できたでしょうが、秀吉後見の元で成長し、高位高官に若くして上り、自分の力で困難を克服した実績がなかった彼は最終的に家康の裁定によって混乱を収めるという、まぁ家康に従属してもおかしくない選択をせざる得ませんでした。

 彼が前田利長並みの判断力があったなら東軍に組したかもしれないかな?しかし彼は豊臣家親族としての立場を重んじたように思えます。んで敗戦。そこから逃避行をうまく凌ぎ、島津家の領国内まで駆け込みます。中世の価値観で、その領域に逃げ込んだ逃亡者を保護する事が領域支配者、権門の矜持に関わる事だったようで、島津家としては秀家助命を勝ち取る事が名誉につながり、状況も島津家を追い詰める方向から離れた為、秀家は死を免じられ最終的に八丈島配流で助命される事になります。その辺は強かというか図々しいというか、経験を積んだらやり手の武将になれたかも?という感じですが。

 この彼から近世を見る?・・・お家騒動のパターンの一つ、ぐらいしか思い浮かばないかな。愚鈍な読者だから。

 なんでこんな書き方をするかというと、この著者、研究姿勢は真摯で真っ当だと思うのだけれど、この本の文章が、どうにも好きになれない。『賢明なる読者』とか『この事例を発見したのは私が最初』とか、なんか随所にそういう私にとって鼻につく表現があり、なんだ、この老〇感はと思ったのですが、あとがきでご本人が「自分は研究者というより宇喜多フリークだ」みたいな事を書いていらっしゃったので、ああ、『在野の研究者』にありがちな、そういう考え方なんだーっと理解しました。

 研究実績はすごいと思うけど、お近づきになりたいとは思えないな。たぶんこの方の著作物は今後避けるようにします。

 不愉快になるから。